南鳥島(みなみとりしま 英;Marcus Island マーカス島)は、本州から1,800 km離れた日本の最東端に位置する島。東京都小笠原村に属する。日本の島としては唯一日本海溝の東側にあり、日本で唯一太平洋プレート上にある。
概要
- 経緯
- 北緯24度16分59秒、東経153度59分11秒
- 面積
- 1.10 km²
- 気候
- サバナ気候(Aw)。降水量が少なく、一年を通して平均気温が摂氏20℃以上である。
- 地形
- 一辺が2 kmのほぼ正三角形の形をしている平坦な島であり、最高地点の標高は9mしかない。
南鳥島飛行場
- ICAO 4レターコード:RJAM
- IATA 3レターコード:MUS
- 滑走路:1,371m×45m(05/23)
- 管理:防衛庁
歴史
現在
現在この島に一般住民はいないが、気象庁(南鳥島気象観測所)、海上保安庁(南鳥島ロランC局)、海上自衛隊(南鳥島航空派遣隊)が施設を持っており、往来・補給のために1200メートルの滑走路があり、島の一辺は滑走路だけである。船の波止場もあるが、浅いサンゴ礁に阻まれて大型船は接岸できないため、大型船は沖合いに停泊し、そこから船積みの小型ボートで島にやってくる。
かつては、アメリカ合衆国の沿岸警備隊が電波航法施設ロランC局を運用していた。現在は海上保安庁千葉ロランセンターが業務を引き継ぎ運用している。
島に駐在する職員のため、航空自衛隊のC-130H輸送機が月に1度、海上自衛隊のYS-11が週に1度、食料の補給や荷物の配達のために飛来する。交代の職員もこれらの飛行機を利用し、不定期で海上保安庁のYS-11が利用されることもある。所要時間はC-130が入間基地からの直行で約4時間、YS-11が厚木基地(自衛隊機)または羽田航空基地(海上保安庁機)から硫黄島を経由して約8時間。ただし、絶海の孤島で、周囲に緊急着陸が可能な飛行場が存在しないため、何らかの理由で着陸ができないと、帰路に燃料不足の懸念があるため、確実に着陸可能である場合にしか飛んでこない。また、半年に一度、海上保安庁の巡視船が南鳥島沖合に停泊し、その時に、巡視船搭載ヘリによる吊り下げ搬送で、大きな荷物が島内に運び込まれる。
その他の情報
- 一般人はこの島には上陸ができない。気象庁の他、海上自衛隊・海上保安庁の職員しか上陸できない。工事関係者など許可を得た人間は上陸できるが、島内に宿泊施設はないので、資材搬入などで短期滞在する場合は沖に船を停泊させて寝泊り、建設工事などで長期滞在する場合は自前で仮設住宅を用意することになる。ただし、航空機でやってきた短期滞在者を海上自衛隊施設に泊めさせることがある。
- 硫黄島とウェーク島から1,300km程度の等距離にあるため、かつてはアイランドホッピングで太平洋を横断するセスナ機の給油で使われることが多かった。現在では、航空機の性能向上によりほとんど使われることはなくなったが、今も緊急着陸用飛行場に指定されている。IATAの3レターコードも設定されている。
- 第二次世界大戦の際に戦闘を想定して島を要塞化した(実際には米軍による上陸、戦闘は起きなかった)。今もなおその時代の戦車や大砲などが残っている。
- 南鳥島にも電話はある。NTTドコモが運用している通信衛星、N-STARを利用するもので、島に常駐する職員向けに公衆電話(テレホンカードとクレジットカードが使えるフェリー船内にあるタイプ)が設置されている。ただし、電話番号が公表されていないため、一般人が南鳥島へ電話を掛けることは難しい。
- テレビ放送は、NHKの国際放送「NHKワールドTV」の1局のみ見ることが出来る。
- 島には、海上自衛隊施設、気象庁施設、アメリカ沿岸警備隊撤退後にその施設に入居した海上保安庁施設がそれぞれある。ただし、食事については、海上自衛隊と気象庁が共同で海上自衛隊施設で摂っている。
- 島で使う電気は発電機で発電する。発電用の燃料は、半年に一度、航空燃料と一緒に船で運びこまれる。水は溜めた雨水や海水を浄化して作った水を使用。水と電気の管理は気象庁職員が行っている。
- かつて、作家の池澤夏樹がどうしても南鳥島に行きたいと言うことで補給船に乗って1日だけ上陸したことがある。尚、このときの状況は彼の著作「南鳥島特別航路」に書かれている。
- 島内で出るゴミは屋外に埋めていたが、山になってハエが大発生したため、現在は極力持ち帰るようにしている。
- 島の周囲はサンゴ礁で浅くなっているが、潮流が速く、サメもいるため泳ぐのは極めて困難。サンゴ礁の外側はすぐに深さ1000メートルの断崖となり、その格差は恐怖を感じる。
- 台風が時おり通る。しかし、風と波をさえぎるものが無いため、居合わせてしまった隊員は施設に閉じこもって行き去るのを待つしかない。
- 急病人が出た場合、本土から航空機を飛ばすことになるが、場所柄、どうしても片道だけで半日かかるため、重篤な患者は、不幸にも手遅れになってしまうことがあるらしい。
- 無線のCQゾーン区分においては、オセアニア地域(OC)に区分される。
参考文献
- 池澤夏樹『南鳥島特別航路』新潮社(新潮文庫)、1994年。ISBN 4101318123
外部リンク
小笠原諸島 | 日本の島
Minami Torišima | Marcus-Insel | Minami Torishima | Minami Torishima