九州旅客鉄道株式会社(きゅうしゅうりょかくてつどう、英称 Kyushu Railway Company)は、1987年4月1日に日本国有鉄道(国鉄)から鉄道事業を引き継ぎ発足した旅客鉄道会社の一つで、主に九州島内(一部山口県)の鉄道路線を管理運営している。また、旅行業・不動産業なども展開している。略称はJR九州(ジェイアールきゅうしゅう)。英語略称はJR Kyushu。コーポレートカラーは赤色。代表取締役会長は田中浩二、代表取締役社長は石原進。 社歌は「浪漫鉄道」でハイ・ファイ・セットが歌っている。
なお、社名ロゴの「鉄」の字は、金を失うという意味を避けるため「金偏に矢」という文字(鉃)を使っているが、正式な商号は「鉄」である。(四国旅客鉄道以外の各社も同じ)
しかし、九州は、一部を除き高速道路網の整備が比較的早く、国鉄末期から西鉄バスをはじめとする高速バスとの競争が激化していたことと、福岡市と北九州市の百万都市同士を結ぶ博多~小倉間でもJR西日本(山陽新幹線)との競争があることから、特に特急用に多くの新車の投入が行なわれている。
また、1996年に運賃を値上げしつつ、JR他社より安いグリーン料金や、JRグループの中では唯一繁忙期(指定料金が200円増しになる時期)を設けないなど料金の値下げをしている。JR九州の値下げ戦略は1996年のNICE GOING CARD(金曜・土曜・休日に101km以上の区間を利用すると運賃・料金が4割引になるカード。)登場以降その流れが加速し、様々な種類の割引きっぷが登場して複雑さを増したため、2001年に割引きっぷのほとんどを特急回数券「2枚きっぷ・4枚きっぷ」に集約した。区間によっては普通に乗車券と特急券を買う場合の半額以下になるそれまでになかった割引きっぷである(特に福岡市内~熊本・佐賀・大分・長崎・佐世保など、高速バスなどとの競合が多い区間での値下げ幅が大きい。その一方で高速バスとは無縁の区間の割引きっぷや旅行者向けフリーきっぷなどの設定はほとんどない。
普通列車関係では、トイレの設置を進めており、近年では103系1500番台及び303系の全編成、キハ125形の全車に設置された。結果、トイレ非設置の普通列車はキハ31形単行列車などごく少数となっている。
2007年3月に特急列車も含めた自社線内全車両の禁煙化を行うことを発表した。これは2006年3月に自社線内完結列車の全車禁煙化を行ったJR北海道に続き、JRグループでは2番目になる。
2010年度末には、九州新幹線博多~新八代開業に伴う鹿児島ルート全線開業も控え、JR西日本のひかりレールスターと相互乗り入れすることも予定しており、これに伴う九州島内の鉄道輸送形態をJR九州がどのように変えるか、そして経営基盤は改善されてゆくのかが注目されている。なおJR九州は九州新幹線全線開業に合わせて、余剰となる車両を転用して自社所有の国鉄型車両を全て廃車にする意向を示している。
JR九州の車両のデザイン的な特徴として、鮮やかな色彩を用い、社名英称や列車愛称、形式名などをヘルベチカとよばれる新しい外来の書体を用いたレタリングを多用したインパクトのある外見と、快適さを主眼においた内装とが挙げられる。これらはドーンデザイン研究所の水戸岡鋭治の手によるものである。建築デザイナーとしてホテルや公共施設のデザインを手がけていた水戸岡は、1990年代初頭よりJR九州の車両デザインに参加。特に1992年の787系「つばめ」は、その洗練されたデザインと、従来の鉄道車両の水準を遙かに超える優れた内装によって、ブルーリボン賞・グッドデザイン賞といった国内の賞のみならず、海外からもブルネル賞を受賞し、日本における鉄道車両デザインに衝撃と革新をもたらした。以降も水戸岡は883系「ソニック」・885系「かもめ」そして新幹線800系「つばめ」などの特急用にとどまらず、近郊型まで含めた新車両や、国鉄継承車両のリニューアルのデザインを手がけている。
その一方で自然災害が多い九州の土地柄か、事故廃車となった車両数がほかのJR各社に比べて多く、これまでにキハ200系・811系・813系・885系と、旧国鉄から引き継いだキハ40形の一部が事故・災害廃車となっている。とりわけ1993年8月6日に発生した日豊本線竜ヶ水駅での土砂崩れ事故はNHK「プロジェクトX」でも取り上げられた。
九州の南部地域の路線では、国鉄時代の古い車両が現在も多く使用されている。
また、JR東海と同様ジョイフルトレインを所有しておらず(発足当初は保有していたが、1994年までに全廃)、団体専用列車には一般の特急型車両や近郊型車両を使用する。
※()内は各車両基地の略号。