一国二制度(いっこくにせいど、中国語では「一個国家、両種制度」略して「一国両制」、英語では"One Country, Two Systems")は、中華人民共和国の政治制度において、本土領域(一般的には「中国大陸」、中国政府が対香港・マカオ関係で自称する際は「内地」)から分離した領域を設置し、主権国家の枠組みの中において一定の自治や国際参加を可能とする構想である。当初は、台湾との統一のために提案された構想であった。現在は、かつてイギリス植民地であった香港と、かつてポルトガル植民地であったマカオにおいて実施されている。
ここでいう「制度」は本来、社会主義制度と資本主義制度を指していた。しかし、中国本土は「社会主義市場経済」と名乗るものの、事実上、資本主義制度を導入しつつあり、本来の社会主義制度は消滅しつつある。また、領域内の制度の差異を基準としても、香港とマカオの法・経済制度が異なるため、中国本土と合わせて3つの制度がある事になる。そのため、一国二制度という名称は、既に現状に合わない。
ただし、中国では全国人民代表大会の中に常務委員会が設置され、この常務委員会が制定した法律が「法律」と呼称される。それに対して、全国人民代表大会(の全体会議)で制定された法律は「基本法」と呼称される。つまり、特別行政区基本法も、この意味での「基本法」であり、憲法的性質を持つことを示した名称ではない。また、特別行政区基本法の解釈権は、全国人民代表大会常務委員会にある(香港特別行政区基本法第158条)。同委員会の下にぞれぞれ、香港特別行政区基本法委員会とマカオ特別行政区基本法委員会が設けられている。香港の裁判所は、全国人民代表大会常務委員会の承認がなければ、勝手に解釈することはできない。
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