リウマチ学(英Rheumatology)とは、関節痛などを主な症状とする膠原病・リウマチ関連疾患を主に研究診療する内科学から発展していった医学の一分野である。
現在では膠原病学とも言われる。
1940年に「リウマチ専門医(Rheumatologist)」という言葉がBernard Comroeによって考案され、「リウマチ学(Rheumatology)」という言葉は1949年にJoseph L. Hollanderの教科書で初めて用いられた。
20世紀初頭の偉大な内科医ウイリアム・オスラー(William Osler)は「SLE(膠原病の一種)は内科学の真髄である」と語っている。
紀元前500年ころすでにヤナギの木の皮から得られる成分、「サリチン」が発見され痛み止めとして使用されていたらしい。このサリチンはのちに19世紀後半に、化学者によりアセチルサリチル酸(アスピリン)に合成され、1世紀以上にわたって鎮痛薬の主役を務めることになる。
紀元前400年ころ、ヒポクラテスの文献には関節疾患の記載がある。紀元前50年ころに活躍したユリウス・カエサルは関節炎にかかっていたと考えられている。
ルネッサンスを迎えると、Guillaume Baillou (1558-1616)は初めてリウマチが全身の筋・骨格の症候であると述べた。痛風は古来他の関節炎とわけて語られることはなかったが、トーマス・シデナムThomas Sydenhamがはじめて痛風とリウマチ熱とをわけて記載した。さらには慢性化するリウマチ熱があると述べており、これは現在の関節リウマチに相当すると考えられている。15世紀後半ころには、キナの皮から得られるキニーネがリウマチの治療に用いられ始めた(現在の欧米でのヒドロキシクロロキンの使用につながる)。また、16世紀からはヤナギの木の皮からえられるサリチル酸がリウマチの治療に用いられ始めた。
また1899年にドイツの製薬会社バイエル社からアスピリンが発売され、薬物治療が始まった。
進行性全身性強皮症(Pss)という言葉を最初に使用したのは1945年のRH Goetzであるが、現在では進行性という言葉は適切でないとされ用いられない。全身性硬化症(systemic sclerosis; SSc)と呼ばれることが多い。Jacob ChrurgとLotte Straussがチャーグ・ストラウス症候群を報告したのは1951年のことである。1964年、Richard H. WinterbauerがCRST(後のCREST)症候群を記載した。
そこで、現在では病理学的にこれらの疾患がコラーゲン(膠原)のある部位が侵されていたということに由来して、「膠原病:collagen diseases」という疾患概念が誕生し、またコラーゲンのある部位とは専門的には結合組織と言われることから「結合組織病connective tissue diseases, CTD」とも言われる。日本でも現在は一般的に「膠原病」という呼び名が定着している。
リウマチ科の扱う疾患は免疫が大きな役目を果たしており、免疫の力を弱める薬が治療において有用である。その為、ステロイドや、癌の治療にも使われる免疫抑制薬(メソトレキセート、タクロリムス)などが免疫力を弱める薬としてリウマチ科でも利用されている。
20世紀末頃から、分子レベルまで解明された病態生理学を利用して、分子レベルで疾患をおさえにかかる薬も現れている。現在はリコンビナント技術を用いて特定のサイトカインネットワークを遮断する試みがうまくいき、次々と新薬が投入されている。特に目覚しいのが関節リウマチであり、インフリキシマブ、エタネルセプトなど次々と効果の大きい新薬が使用開始されている。インフリキシマブ(Infliximab)は、難治性の多くの関節リウマチ患者に劇的な治療効果を示すのみならず、強直性脊椎炎などその他の疾患にもその治療応用を広げている。
しかし、リウマチ・膠原病に関しては、疾患群として巨大であり、先進諸国の資金援助が豊富に受けられる医療分野でありながら、21世紀に入ってもこの疾患が起る原因の手がかりはつきとめられておらず、治療は全て発症後の対症療法であって、リウマチ・膠原病患者のほとんどは、治療のために薬を一生のみ続けることを強いられる。これら多くの薬剤も病気を完全になくすことはできず病気の真の発生機序とそ治療法の発見がのぞまれる。
| 関節リウマチを | RA、 |
| 全身型若年性関節リウマチを | Still病、 |
| 多関節型若年性関節リウマチを | 多関節JRA、 |
| 単(小)関節型若年性関節リウマチを | 単関節JRA、 |
| 成人型全身型若年性関節リウマチを | 成人型Still病、 |
| 症状が比較的良く出る、または比較的検査陽性の事が多い、または比較的検査値増加を示すことが多い場合を | +、 |
| 症状比較的あまり出ない、または比較的検査陰性の事が多い、または比較的検査値低下を示すことが多い場合を | -、 |
と表現することにすると、鑑別は表.1の様になる。
| RA | Still病 | 多関節JRA | 単関節JRA | 成人型Still病 | ||
| 症状 | サーモンピンク紅斑 | - | + | - | - | + |
| こわばり | + | - | + | - | - | |
| 虹彩毛様体炎 | - | - | - | + | - | |
| 検査 | リウマトイド因子 | + | - | + | - | - |
| 抗核抗体 | - | - | - | + | - | |
| 白血球 | + | + | - | - | + | |
| 表.1 関節リウマチ関連疾患の鑑別 | ||||||
痛風 Goutについては、扱うところもあれば扱わないところもある。
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