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ライム病Lyme disease、ライムボレリア症(Lyme borreliosis))は、ノネズミシカ野鳥などを保菌動物とし、マダニ科マダニ属 Ixodes ricinus 群のマダニに媒介されるスピロヘータの一種、ボレリア Borrelia の感染によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつ。名前の由来は、アメリカコネチカット州のオールドライムで1975年に最初に確認(記載は1977年)されたことに因む。

発生地


北アメリカやヨーロッパ、日本などで、夏から初秋にかけて、樹木の多い地域に発生することが多い。日本では北海道長野県など、また、標高800m以上の山岳地域などで発生がみられる。

媒介者


ライム病ボレリアを媒介する Ixodes ricinus 群のマダニは北半球の温帯から亜寒帯に広く分布している。ユーラシア大陸では I. ricinusシュルツェマダニ I. persulcatus が、北アメリカ大陸では I. scapularisI. pacificusBorrelia burgdorferi を消化管に保菌しており、媒介者として機能している。日本ではシュルツェマダニが媒介者となっており、他にヤマトマダニから B. japonica が高率で検出されているが、この B. japonica は病原性がないかきわめて微弱であると考えられている。シュルツェマダニは北方系で日本では中部地方以北で密度が高い。

病原体


本病の病原体であるボレリアは、全長約10μm、直径0.2-0.3μmの螺旋状のスピロヘータ。 本病を引き起こすものは広義の、ボレリア・ブルグドルフェリ Borrelia burgdorferi であるが、本種はいくつかの遺伝種に分けられている。
  • 狭義のボレリア・ブルグドルフェリ B. burgdorferi(アメリカの典型的ライム病の病原体)
  • ボレリア・ガリニ B. garinii(神経症状を主として引き起こす)
  • ボレリア・アフゼリ B. afzelii(慢性萎縮性肢端皮膚炎の病原体)
など数種類が確認されている。日本ではシュルツェマダニからボレリア・ガリニと、ボレリア・アフゼリが検出されている。

症状


  • 第1期:感染初期(stage I)
    マダニによる咬着より数日から数週間後に、刺咬部を中心とした特徴的な遊走性紅斑を呈する。この症状は、狭義の B. burgdorferi 以外による非典型的なライム病でもすべてに共通して発症する。他に、リンパ節の腫張や、筋肉痛、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、倦怠感などのインフルエンザ様の症状を伴うこともある。

  • 第2期:播種期(stage II )
    体内循環によって病原体が全身に拡散することにより、皮膚症状、神経症状、心疾患、眼症状、関節炎、筋肉炎など多彩な症状が現れる。不整脈などの循環器症状、リンパ球腫などを呈することもある。

  • 第3期:慢性期(stage III)
    感染から数か月から数年後に、慢性萎縮性肢端皮膚炎、慢性関節炎、慢性脳脊髄炎、角膜炎などを生ずる。

森林を歩く際の注意


  • 足首からふくらはぎにかけて露出しないようにズボンの裾をとめる、もしくは靴下の中に入れ込む。
  • ダニの付着が判別しやすい明るい色の衣服を着用し、休憩時などに同行者同士でダニの付着の有無を確認する。
  • ダニが皮膚に吸着している場合はピンセットなどで取り除く。取り除いたダニは保管し、後日、症状が出た場合には病院へ持参する。咬着後24時間以内に除去すると感染率が低いと言われている。
  • スプレー式の防虫剤は有効なので、必要に応じて利用する。

感染症

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