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モンシロチョウ
Lepidoptera 2005 spring 001.jpg
分類
界:動物界 Animalia
門:節足動物門 Arthropoda
綱:昆虫綱 Insecta
目:チョウ目(鱗翅目) Lepidoptera
科:シロチョウ科 Pieridae
亜科:シロチョウ亜科 Pierinae
属:モンシロチョウ属 Pieris
種:モンシロチョウ rapae
学名
Pieris rapae
英名
Small White
モンシロチョウ(紋白蝶・学名 Pieris rapae ・英名Small White)は、チョウ目・シロチョウ科に分類されるチョウの一種。などの身近な環境でよく見られるチョウである。比較的採取しやすいため、アゲハチョウの仲間やカイコなどと並び、チョウ目(鱗翅目)昆虫の生態や生活環を学習する教材としてもよく活用される。

特徴


前翅の長さは3cmほど。翅は白いが、前翅と後翅の前縁が灰黒色で、さらに前翅の中央には和名のとおり灰黒色の斑点が2つある。また、春に発生する成虫は夏に発生する成虫よりも白っぽい。

オスとメスを比較すると、オスは前翅の黒い部分が小さく、全体的に黄色っぽい。メスは前翅の黒い部分が多く、前翅のつけ根が灰色をしている。なお、翅に紫外線を当てるとメスの翅が白く、オスの翅が黒く見えるため、オスメスの区別がよりはっきりする。紫外線は人間には見えないが、モンシロチョウには見えると考えられていて、モンシロチョウはこの色の違いでオスメスの判別をしているとみられる。

日本全国から朝鮮半島中国中央アジアを経てヨーロッパまで分布する。広い分布域の中でいくつかの亜種に分かれており、そのうち日本に分布するのは亜種P.r.crucivoraとされている。幼虫の食草キャベツアブラナブロッコリーなどのアブラナ科植物なので、それらの農作物の栽培に伴って分布を広げてきた。また、分布域を広げるためか、まれに大群を作って移動することがある。

成虫は3月頃から10月頃まで長い期間にわたって見られ、年に4-5回ほど発生するが、発生する時期や回数は地域によって異なる。北海道東北地方など冷涼な地域では年に2回ほどしか発生しないが、温暖な地域では年に7回発生することもある。冬はで越冬するが、食草の葉のかげでじっとしている幼虫も見かけられる。

生活環


モンシロチョウのオスはメスを見つけると追いかけて交尾を行う。モンシロチョウを観察すると2匹-数匹が固まって飛んでいるのがよく見かけられるが、これは1匹のメスを複数のオスが追いかけている場合が多い。メスが草花などに止まるとこれらのオスが交尾しようと近寄る。ただしメスがすでに交尾済みの場合、メスは翅を開いて腹部を高く突き出し、交尾拒否姿勢をとる。

交尾の終わったメスはキャベツなどのアブラナ科植物にやって来て、葉の裏で腹部を曲げ、1個ずつ産卵する。は黄色で、長さ1mmほどのびんのような形をしている。

卵は1週間ほどでふ化する。卵の殻を内側からかじって幼虫が姿を現すが、ふ化したばかりの幼虫は黄色で短い毛が体の各所に生えており、アオムシというよりケムシに近い。ふ化した幼虫はしばらく卵の横で休息し食事に移るが、最初の食べ物は葉ではなく自分の入っていた卵の殻である。卵の殻は蛋白質に富んでおり、最初の栄養分となる。葉を食べはじめた幼虫は体色も緑色になり、アオムシとなる。

になるまで1ヶ月ほどかかるが、その間に4回脱皮し、体長4cmほどに成長する。蛹になる直前の幼虫はせわしなく動き回り、蛹になるために適した場所を探す。適した場所を見つけると壁面に糸の塊を吐き、そこに上向きになって尾部をくっつける。さらに頭部を背中側に反らせながら胸部を固定する糸の帯を吐き、体を固定した後に脱皮して蛹になる。

冬眠時は数ヶ月ほど蛹のままで過ごすが、短い時は2週間ほどでも羽化する。羽化が近くなると蛹は黄色っぽくなり、皮膚越しに成虫の模様が浮かぶ。 画像:ChristianBauer Pieris rapae caterpiller.jpg|モンシロチョウの幼虫 画像:ChristianBauer Pieris rapae caterpiller2.jpg|モンシロチョウの蛹。頭を上にして、胸の帯糸と尾部のカギで体を固定している 画像:ChristianBauer Pieris rapae cocoon.jpg|羽化間近の蛹。成虫の模様が透けて見える 羽化はたいてい朝方に行われる。蛹の頭部と胸部の境界付近から皮膚が割れて成虫が顔を出し、蛹の殻からはい出てくる。成虫は縮んだ翅に体液を送りこんで翅を伸ばし、体が乾くと飛びたつ。成虫の期間は2-3週間ほどで、この間に交尾・産卵を行う。

天敵


モンシロチョウの幼虫は緑色の体色が保護色になるとはいえ、鳥類アシナガバチなどに捕食される。アブラナ科農作物の葉を食べることから人間にとっては害虫となり、駆除もされる。ただし近年では農薬への批判が高まり、農薬で駆除される割合は少なくなった。一部がかじられた野菜は無農薬野菜の目印として見られることもある。成虫の天敵は鳥類、カマキリトンボなどである。

また、幼虫に寄生する寄生バチとしてアオムシコマユバチ(アオムシサムライコマユバチともいう。学名Apanteles glomeratus)が知られる。体長3mmほどの小さな黒いハチで、モンシロチョウの幼虫に産卵する。ふ化したハチの幼虫は半透明の虫状で、モンシロチョウ幼虫の体内に入りこみ、体の組織を食べて成長する。成長したハチの幼虫は一斉にモンシロチョウ幼虫の皮膚を食い破って外に姿を現し、糸を吐いて黄色の繭を作って蛹になる。体内の組織を食い尽くされたモンシロチョウ幼虫は死んでしまう。このアオムシコマユバチは野生状態では半数以上のモンシロチョウ幼虫に寄生しており、モンシロチョウが増えすぎるのを抑える有力な要因となっている。

近縁種


モンシロチョウ属(Pieris属)のチョウは他にもいる。これらの食草はナズナイヌガラシなどの野生のアブラナ科植物である。

タイワンモンシロチョウ Pieris canidia

前翅の長さは2.5cmほど。モンシロチョウに似ているがやや小型で、オスメスとも後翅のへりに黒い点が3-4個あらわれる。朝鮮半島、中国、台湾に分布するが、日本国内では対馬八重山諸島だけに分布する。
スジグロシロチョウ Pieris melete
前翅の長さは3cmほど。和名のとおり翅に通った翅脈(しみゃく)が黒く目立つ。前翅斑紋はやや四角形をしている。メスがオスよりも大きく、オスは独特の匂いを出す。中国と朝鮮半島、日本国内では北海道から屋久島まで分布するが、モンシロチョウと違って、人里からやや離れたところに多い。
エゾスジグロシロチョウ Pieris napi
前翅の長さは2.5-3cmほど。前翅の斑紋がやや丸いが他はスジグロシロチョウによく似ている。オスがメスより大きい。ヨーロッパや中国に分布し、日本でも全国に分布するが、九州では標高の高い山地に生息する。

チョウ | 農業害虫

Bělásek řepový | Lille Kålsommerfugl | Kleiner Kohlweißling | Small White | Piéride de la rave | Ropinis baltukas | Klein koolwitje

 

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