メジャーリーグ(Major League Baseball、MLB)とは、アメリカ合衆国(29チーム)及びカナダ(1チーム)の30球団により編成されるプロ野球リーグのこと。大リーグともいう。「大リーグ」の呼称はメジャーリーグの別名「ビッグリーグ (Big League) 」の訳語である。
概説
アメリカンリーグと
ナショナルリーグからなり、
2006年現在全30球団がある。球団数は
1901年から
1960年までは16球団だったが、
1961年に18球団に増えたのを皮切りに、20→24→26→28と増え、現在の30球団になったのは
1998年のことである。地区制度は
1969年にまず2地区制で導入され、
1994年からは3地区制になった。
アメリカンリーグの西地区が4球団で少ないため増やそうという話があったが、試合を構成する上で総球団数を偶数にせざるを得ないため(偶数でないと全球団で同じ日に試合を行うという構成にする事ができない)、他に同じような動きがないために現在の所保留されているという話である。
リーグ優勝チーム同士のシリーズ試合(優勝決定戦)はワールド・シリーズと呼ぶ。
メジャーリーグベースボール機構では、アメリカ合衆国やカナダ以外での公式戦開催を積極的に推進しており、日本では2000年と2004年に公式戦開幕シリーズを東京ドームで開催した。(2003年にも予定されていたが、イラク戦争の影響で中止となってしまった。)
なおメジャーリーグベースボール傘下にないプロ野球球団の作るリーグを独立リーグという。かつてはメジャーリーグベースボールのほかに黒人リーグがあったが、現在は廃止されている。
また1914年~1915年には、フェデラル・リーグも存在した。
国外からの参加は2005年にモントリオールエキスポス(カナダ)がワシントンDCに本拠を移転し「ワシントン・ナショナルズ」となったため、現状はトロント・ブルージェイズ(同じくカナダ)の1クラブのみとなった。
参加チーム
アメリカンリーグ
ナショナルリーグ
メジャーリーグベースボールの試合システム
レギュラーシーズン
- 各チームとも1チーム162試合対戦する。この中にはリーグ間交流戦「インターリーグ」(5月に行われる)も含まれるが、通算成績(チーム、個人賞)はそれぞれの所属リーグの成績に反映される。
- 日本と異なり、引き分けなし(降雨コールドの時を除く)の時間無制限で行う。このため、試合がもつれた場合は、終了が深夜に及ぶことも多い。但しアメリカン・リーグについては、現地時間で深夜2時を過ぎた場合には、その時点で試合中のイニングはとりあえず最後までやり(新イニングには入らない)、なお同点なら、翌日に続き(サスペンデッドゲーム)を行うが、翌日が違うカードや移動日となる場合は、同じ会場で行われる次の同一カードの最初の試合前に続きを行う。最終戦だけはサスペンデッドを適用しないで決着がつくまで行われる。
- 日本のようなドーム球場は少なく、雨による中止(日程が詰まっている場合は長時間にわたって試合開始時間を遅らせたりする)もあるために試合日程が過密であり、20~30連戦という日程が少なくない上、1日に2試合行う(ダブルヘッダー)場合もある。これに加え、国内でも時差が4時間ある広大なアメリカ本土・カナダを縦横に移動するために、球団で移動用の専用機を有してはいるものの、肉体的な負担が多い。そのために、主軸選手でも疲労回復のために、先発から外すこともある。
- レギュラーシーズンの日程はコンペティションによって決められる。日本のように上位のチームが開幕開催権をもつという制度はない。
- 8月まで、ペナントレース期間中のチーム間の直接のトレードが可能(日本では6月まで)。また、主軸選手や中堅選手でもトレード移籍が多く、シーズン中のトレードもある。
- 7月にオールスターがあり、2003年から勝ったリーグにワールドシリーズでのホームアドバンテージ(勝ったリーグに所属するチームの本拠地から試合が開始)が与えられる。(2002年までは1年交代だった)
- 大乱闘などで試合続行不可能になったり、そもそも相手チームが到着せず、試合ができない場合などは、フォーフィットゲーム(放棄(没収)試合)となることもある。
- アメリカン・リーグでは日本のパシフィック・リーグと同じく指名打者(DH)制度が採用される。
ポストシーズン
- 各リーグとも162試合の成績を元に各地区の1位、及び2位の最高勝率チーム(ワイルドカード)を加えた4チームずつによるトーナメント戦となる。なお地区1位に2球団が並んだ場合でワイルドカードを他地区のチームに取られている場合やワイルドカード1位に2球団が並んだ場合は、ワンゲーム・プレーオフによってプレーオフ進出チームを決定する。また、地区1位に2球団が並んだ場合で両チームともプレーオフに出場できる場合は、レギュラーシーズンの直接対戦で勝ち越しているチームが地区1位となる。
- リーグ準決勝(ディヴィジョンシリーズ)は基本的に1位の最高勝率チーム-ワイルドカード、1位の勝率2位チーム-同3位チームの対戦とする。但し1位最高勝率チームとワイルドカードが同じ地区の場合、1位の最高勝率チーム-同3位チーム、1位の勝率2位チーム-ワイルドカードの対戦になる。試合は5戦3勝制(フォーマットは2-2-1)。
- 1997年まではフォーマットは2-3で最初の2試合のホーム開催権のある地区(ホストチーム)が予め決められており、ワイルドカードはホストチームまたは同地区チームとは対戦しないとの規定がありワイルドカードで出場する地区により組み合わせが決まっていた。(たとえば1995年のア・リーグはホストチームが中地区とワイルドカードで、そのためクリーブランド(勝率1位)対ボストン(勝率2位)、シアトル(勝率3位)対NYヤンキース(ワイルドカード)となった。)
- リーグ優勝決定戦(リーグチャンピオンシップシリーズ)はその準決勝を勝ち上がった2チームずつ4チームが7戦4勝制を行ってワールド・シリーズ出場権獲得を目指す。
- ディヴィジョンシリーズとリーグチャンピオンシップシリーズでは、勝率が高いほうにホームアドバンテージが与えられる。ただし、ワイルドカードのチームは勝率にかかわらずホームアドバンテージは持てない。なお1位チームで同じ勝率のチームが対戦することになった場合、レギュラーシーズンでの直接対決に勝ち越しているほうにアドバンテージを与える。
- ワールド・シリーズはアメリカン、ナショナル両リーグの優勝チームがやはり7戦4勝制で対戦し、全米チャンピオンを決定する。
ポストシーズンの成績について
MLBのポストシーズンでは、なぜか0勝3敗とされたチームは逆転の見込みが全くといって良いほどない。日本では
1958年の
西鉄ライオンズ、1986年の
西武、1989年の
巨人が0勝3敗から逆転で日本一をつかんだことがあるものの、ワールド・シリーズは2005年で101回目を迎えながら、いまだに達成したチームはない。リーグチャンピオンシップシリーズでも2004年にボストン・レッドソックスがニューヨーク・ヤンキースを0勝3敗から逆転したのが唯一の例で、それまでは北米スポーツでも
NHLで2度達成されただけであった。
そればかりか、0勝3敗とされたチームは4回戦も敗れるケースが多い。ワールド・シリーズおよびリーグチャンピオンシップシリーズで0勝3敗とされたチームは2005年までに28チームあるものの、4回戦に勝ったのはわずか6チームだけで、あとの22チームはそのまま4連敗で敗退している。
過去の試合システム
レギュラーシーズン
- 1960年までは1チームあたりの試合数は154試合(22回戦×7チーム)だったが、ア・リーグは1961年、ナ・リーグは翌1962年から現在の162試合(18回戦×9チーム)になった。
- 2地区制時代は12球団時は同地区18試合×5チーム=90試合、他地区12試合×6チーム=72試合の計162試合であったが、ア・リーグは1977年から、ナ・リーグも1993年には14球団に増え、同地区13試合×6チーム=78試合、他地区12試合×7チーム=84試合の162試合になった。
ポストシーズン
- 1968年まではリーグで1位になればそのままワールド・シリーズへ出場できた。なおリーグ1位に2球団が並んだ場合、ア・リーグは1試合制のプレーオフを行いその勝者が、ナ・リーグは3試合制のプレーオフを行い先に2勝したチームが、リーグ優勝となりワールド・シリーズ出場権を得た。
- 1969年から1993年までは中地区がなく、東地区と西地区の1位でリーグ優勝決定戦(リーグチャンピオンシップシリーズ)を行っていた。また1984年まではリーグチャンピオンシップシリーズは現在のディヴィジョンシリーズと同じ5戦3勝制で、1985年から現在と同じ7戦4勝制になった。なお1981年はストにより前後期制をとり前期優勝チームと後期優勝チームが地区優勝決定シリーズを行い、その勝者がワールドシリーズ出場をかけリーグ優勝決定戦を行った。
- ワールドシリーズは現在7戦4勝制となっているが、1903年や1919年のように9戦5勝制の年もあった。
歴史
備考
薬物問題
近年、メジャーリーグベースボールでは
バリー・ボンズや
マーク・マグワイアの本塁打量産、
ホセ・カンセコの薬物使用の告白、かつて活躍した選手の急死などで
ドーピング疑惑が注目されている。以前から薬物使用に甘いと言われてきたが、近年は毎年抜き打ち検査が実施されている。2005年からは薬物検査に関する規定を導入し、その内容は違反1回目で10日間、2回目で30日間、3回目で60日間、4回目で1年間の出場停止、5回目でコミッショナーが裁定を下すというものであった。しかし導入当初は罰金を支払えば試合に出ることができるという逃げ道も設けていたことを、
アメリカ下院の政府改革委員会から追求された。さらに、これでも未だに他のスポーツに比べて制裁が甘いという批判があり、2006年からは違反1回目で50試合、2回目で100試合の出場停止処分、3回目で永久追放という新規定を導入する予定である。だが、この永久追放に関しても救済措置が設けられている。日本の
プロ野球に於いても薬物検査の導入が検討されている。
ストライキ
メジャーリーグベースボールでは今までに何度か
ストライキが実施された。
1981年
フリーエージェント関係で経営者サイドと選手会が折り合わず、
6月12日からストライキを決行した。ストライキは50日間に及び、スト解除は
7月31日であった。そのため、この年はレギュラーシーズンが前後期制となった。
1994年
この年のストライキは越年し、メジャーリーグ史上最大となった。
オーナーがチームの総年俸に上限を定める「サラリーキャップ制度」を導入しようとしたものの、選手会側がこれに反発し8月12日からストライキを行った。ストライキは232日間にも及び、この年は残りの公式戦はおろかプレーオフやメジャーリーグ史90年で初めてワールド・シリーズも中止となり、翌1995年2月にはクリントン大統領(当時)も調停に入るが失敗に終わるなどした。ストライキは4月1日をもって解除されたが、この年の大リーグ開幕は4月25日と、例年より約1ヶ月遅れた。なお開催を中止されたワールドシリーズの代わり、日本の日本シリーズがアメリカの一部では中継された。
これがもとでサラリーキャップ制度導入は中止となり、その後の話し合いで「ぜいたく税」が設けられた。これはチームの総年俸が一定額を超えた場合、そのチームから超えた分から一定の割合を徴収し、総年俸の低いチームへ還元するというものである。このストライキでは大規模なファン離れが生じ、1997年のインターリーグ導入の契機にもなった。
2002年(実際は施行されず)
年俸総額や球団削減などを織り込んだ新労使交渉が選手会とオーナーの間で折り合わず、
8月30日までに妥結されない場合はストライキを決行することにした。ストライキ開始日となる8月30日が近づいても交渉はこう着状態のままでストライキ回避は不可能と思われていたが、ストライキ決行日に決めていた8月30日に事態は急転し交渉が妥結され、ストライキは回避された。
ただ2002年に妥結された新労使交渉は2006年までとなっており、2007年以降の対応は不明である。
放映権
- 2006年にMLBとFOXとの放映権契約が切れる。
- 2006年3月13日に、ヨーロッパのテレビ局「NASN」が、2006年から5年間MLBの試合を放映する契約をMLB機構と結んだ。オープン戦からワールドシリーズまでの年間275試合が、イギリス、アイルランド、ドイツ、スイス、オランダなどのヨーロッパ7ヶ国で放送される。
個人タイトル
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関連項目
外部リンク
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