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ミミズ蚯蚓)は、環形動物門 貧毛綱に属する動物の総称。目が無く、手足も無く、紐状の動物。名称は”目見ず”から来たとも言われる。

体の構造


ミミズは、手足、頭、触角等、目につく顕著な器官が体表に何もないので、ごく下等な動物と思われがちであるが、これらはむしろ顕著な頭部器官や疣足を持つ同じ環形動物門の多毛類(ゴカイの仲間)のような複雑な形態を持った祖先から、地中生活への適応として二次的に単純化を起こす方向で進化したものとみるべきである。下等なミズミミズなどでは容易に頭部器官を認識でき、また相対的に小さな事もあり眼点も目立つ。大型の典型的なミミズ類であっても体表には微小な眼点が散在し、の方向を感知することができる。

一般的なミミズの体の特徴は、細長く、たくさんの体節に分かれている事である。体表をよく見ると、体節ごとに短いながらも頑丈な剛毛が生えているのが分かる。この剛毛がスパイクとして機能する事でミミズは体のぜん動運動を前方への移動へと結びつけることができる。淡水性の微小なミズミミズやオヨギミミズでは、体のサイズと比べて相対的にかなり長い剛毛を持つ。

成熟したミミズは、体の前の方にいくつかの体節にまたがった肥大した帯状部分を持つ。これを環帯と呼んでいる。多くの大型ミミズ類では、環帯より前方の腹面に雄性生殖孔が、環帯の腹面に雌性生殖孔がある。生殖時期になると雌雄同体の成体が体を逆方向に向けて環帯部分の腹面を接着することにより交接をおこない、精子を交換する。交接後、ミミズは環体の表面に筒状の卵包を分泌し、これと体の隙間に複数の受精卵を産卵して栄養物質を分泌する。産卵と分泌が完了すると首輪を脱ぐように卵包を頭部の方向に送りだし、頭部から離脱すると筒状の卵包の前端と後端が収縮して受精卵と栄養物質を密閉する。

ミミズの体内は、体節ごとに隔壁によって仕切られている。このような、細かい部屋に仕切られた構造は、壁が柔らかの材料で出来ていても、そこに体腔液の水圧をかけることでずいぶん頑丈なものになる。ミミズには骨もないのに、土を掘れるのはそのためで、このようなものを静水力学的骨格と呼ぶ。

ミミズの働き


ミミズは土を食べ、そこに含まれる有機物微生物、小動物を消化吸収した上で粒状の糞として排泄する。それによって、土壌形成の上では、特に植物の生育に適した団粒構造の形成に大きな役割を果たしている。そのため農業では一般に益虫として扱われ土壌改良のために利用される。ただし、同じミミズとは言ってもシマミミズのように腐敗有機物を主食とするものと、フトミミズ類の多くのように腐植を含んだ土壌を主に摂食するものでは土壌との関係も異なっているし、土壌の環境によって出現するミミズの種類も大きく異なってくる。

進化論で有名なチャールズ・ダーウィンは、晩年ミミズの研究もおこなっており、ミミズの土壌形成に果たす役割を最初に指摘したのもかれであった。最近では、このエピソードを紹介する子供のための絵本も出版された。

  • 新妻昭夫文 / 杉田比呂美絵『ダーウィンのミミズの研究』(福音館書店、2000年6月。ISBN 4-8340-1679-X )

ただし、ツリミミズ科のサクラミミズAllobophora japonica Michaelsenのように糞として排せつした土塊がイネの苗を覆って機械による稲刈りに支障を与えたり、ゴルフ場の芝生を汚損することから害虫として扱われるものもある。

他に、ミミズは優秀な釣り餌(キジと呼ばれている)であり、疑似餌にもミミズを模したものがある。イトミミズは鑑賞魚等の餌としても用いられる。

ミミズに纏わる伝承


小便とミミズ

古くから「ミミズに小便をかけると陰茎が腫れる」と言われるのは、雑菌が尿をつたって陰茎につくかもしれないという説と、田畑に養分を与えるミミズへの尊敬と感謝に由来する迷信であるとする説が主流であったが、近年刺激を受けたミミズが刺激性の防御液をかなり遠くまで噴出することが知られるようになり、尿により刺戟を受けたミミズが噴出した防御液の刺激による亀頭粘膜急性炎症なのではないかとの指摘が医動物学研究者によって出されている。またそうでなければ説明が困難な症例も確認されている。

ミミズの鳴き声

一般に「ミミズが鳴く」と言われる、地面の下から響く鳴き声は、ケラの声であるとされる。

薬・食材としてのミミズ


漢方薬では「赤竜」と称し、ミミズを乾燥させたものを地竜と称し発熱や、気管支喘息の発作などに用いられる。

食材

タンパク質など栄養価豊富なミミズは世界各地で食材として使用されている。また、アメリカのカリフォルニア州などではミミズを使った料理コンテストなども行われている。

Thomas Rockwell, How to Eat Fried Worms(1973) は、現代アメリカ児童文学の古典とも言える作品である。邦訳は、トマス・ロックウェル(阿部里美訳)『ミミズ・フライの食べ方』(早川書房、2003年10月。ISBN 4-15-250013-1 )

アメリカ最大のプロレス団体WWEのスーパースターブギーマンはミミズを食べるギミックで活躍している

また、有名な都市伝説に「ハンバーガーの肉には実はミミズが使われている」というものがある。今日では食用ミミズは高価であり、もちろん使用はされていない。

環形動物

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