| ミズタマカビ | ||||||||||||
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| 分類 | ||||||||||||
| 界: | 菌界 Fungi |
| 門: | 接合菌門 Zygomycota |
| 綱: | 接合菌綱 Zygomycetes |
| 目: | ケカビ目 Mucorales |
| 科: | ミズタマカビ科 Pilobolaceae |
| 科: | ケカビ属 Pilobolus |
ミズタマカビ(Pilobolus)は、菌界・接合菌門・接合菌綱・ケカビ目ミズタマカビ科に属するカビである。草食動物の糞に出現し、胞子のうを遠くに打ち出すことができる。
胞子のう柄は正の屈光性があり、光の方向に向きを定めて伸び、高さ数mmに達する。胞子のう柄は透明で、まわりに水滴がついており、光を受けるときらきらと反射する。胞子のう柄が伸び切ると、胞子のう下のふくらみが破裂して、胞子のう全体を打ち出す。胞子嚢が打ち出された後には、胞子嚢柄は内容物を失ってしまい、白いしおれた糸くずのようになって干からびる。
純粋培養は比較的簡単で、成長も早い。ただし、糞に含まれるある種の成分が必要なので、糞抽出液を培地に含ませなければ生育しない。それ以外の栄養要求はごく普通のケカビ類と同じである。菌糸体はケカビと同じような多核体の菌糸からなる。寒天培地上では、菌糸はほとんど寒天表面に出てこない。胞子嚢が形成される前に、菌糸体から嚢状の膨らみが生じ、そこから胞子嚢柄が伸び出す。この膨らみのことを栄養嚢(Trophocyst)という。栄養嚢はカロチンを含み、黄色に色づく。
有性生殖は接合胞子による。どの種も自家不和合なので、観察できることは少ない。
胞子嚢がはじき飛ばされるのは、胞子のうの下の膨らみが破裂するためである。これは、胞子嚢が光の方向を向くので、胞子のうの下のふくらみがレンズの作用をして、この部分を加熱させるためであるとも言われる。
胞子のうは、時には2mも飛ぶことがあると言う。この性質は、糞の上から胞子を光の方向に飛ばすことで、周囲の草の葉に胞子を付着させるために発達したと考えられている。つまり、草食動物に胞子嚢を食べさせることで、胞子を糞の中に運びこませるための適応である。胞子は放出直後には発芽しやすいが、その後発芽しにくくなる。草食動物の消化管を通って後に発芽するようになると思われる。それの代用として、アルカリ性の溶液で処理すると発芽しやすくなるとも言われる。
この菌は栄養的にも糞での生活に適応しており、糞に含まれる窒素化合物などを必要とする。一般の土壌をアンモニアや糞抽出液で処理することで発生させられるとの実験もある。
なお、胞子を上の方に飛ばす性質は他の糞生菌にも見られ、小型の子のう菌などの胞子も往々にしてシャーレの上蓋裏に付着する。ただし、これほど遠くへ飛ばすものはごく少ない。