NSX.JPG NSX(エヌエスエックス)とは、本田技研工業のスポーツクーペ型乗用車。駆動方式にミッドシップエンジン・リアドライブを採用している。
1989年発表、翌1990年から2005年までの15年間の長きにわたって製造及び販売がなされた、国産車では珍しく長期間販売したモデルであった。価格は販売当初は1グレードのみの800万円(AT仕様は60万円高)。その後、徐々に値上がりしていったり、グレードの違いにより、900万-1300万円台となっていた。販売した15年間、いずれもスポーツカーとしては日本車最高額を誇った。
欧米で2006年から始まる燃費・排ガス環境規制への対応が難しいため、欧州向けは2005年9月末、北米向け・日本国内は同年12月末をもって生産終了となった。なお、後継モデルは開発中 とのことである。
海外では、ホンダブランドの他、ホンダの高級車専門販売チャンネル、アキュラ・ブランドからも日本名と同じ「NSX」の名前で販売。元々は北米アキュラ向けの戦略車として開発され、日本でなくアメリカで開催のモーターショー、シカゴ・オートショーでプロトタイプが発表されたり、日本よりも北米市場で一早く販売開始がなされていた。また、当初の生産枠分も北米向けが大半だった(その後の増産枠分はほとんど日本市場向け)。生産終了まで半分以上が北米市場向けに造られていて根強い人気を持っていた。
1995年にマイナーチェンジし、ドライブバイワイヤやAT仕様車にFマチック(ステアリングコラムのスイッチによるマニュアルシフト)が追加された。また、オープントップ (いわゆるタルガトップ)仕様の「タイプT」が追加された。
1999年にはエンジンがLEV化され、平成12年基準排出ガス50%低減の「優-低排出ガス」車に認定された。
2005年2月22日、「NSX type R GT」発表。3月22日までの1か月間限定でSuper GT参加のホモロゲーション取得用に5台限定で販売。価格5000万円。ベースの「タイプR」に、カーボン製エアロバンパーなどの空力パーツを装着し全長全幅を拡大。エンジンC32B・ミッション6MT・ダブルウィッシュボーン式サスペンション等の基本性能は変更なし。型式ABA-NA2、280PS/31.0kgm。
なお、後継となるモデルにNSXの名前がそのまま残るかは未定である。
開発に当たっては欧州のスポーツカーなどが比較対象になったが特にフェラーリのV8モデル、F328を越える走行性能を目指し開発された。当時個体性能差が大きかったフェラーリF328を何台もデータ取りの為に購入した。
開発段階からアイルトン・セナや中嶋悟など、当時ホンダがF1にエンジン供給していたチームのF1ドライバーが走行テストに参加。開発中の車両をテストした彼らからボディー剛性の低さを指摘された為、過酷なコースレイアウトで有名なドイツのニュルブルクリンク・サーキット等で長距離高速走行テストを繰り返し実施した。その結果、当時世界初のオールアルミ製軽量高剛性ボディーが完成。
搭載するエンジンは開発中に様々な案がだされ、当初は軽量スポーツカーのパッケージング案として4気筒2000ccが提案された。しかし、社内事情やアメリカ市場を見据えたリサーチなどで頓挫し、開発最終段階ではV型6気筒3000ccのSOHC4バルブとなる。だが、市販化までの間にインテグラ用に開発中だった新機構搭載のエンジン、DOHCVTECが完成。これまでレーシングカー等でしか出せなかった自然吸気エンジンでリッター100馬力という高出力を市販車で達成した点などがユーザーや自動車評論家などに高い評価を受けた。これを受け、急遽エンジンをDOHC VTEC化するよう指示が出されたが、開発者の上原繁氏曰く「SOHC版エンジンもかなり良かった」との事。DOHC化によりシリンダーヘッドが大きくなる事からホールベースの延長を余儀なくされたが、エンジンを傾斜させ搭載することにより約60mm延長のところを最小限の30mm延長で済ませる事ができた。
NSXはホンダ初の大排気量スポーツカーであり、ミッドシップカーにもかかわらず、1990年の販売当初からその完成度は仮想敵にしたフェラーリと肩を並べるほどの評価を受けた。その為、当時フェラーリ自ら生産や開発の体制を見直したほどだった。唯我独尊であるフェラーリに唯一影響を与えた車として現在も評価されている。
経年車に対して、リフレッシュ・プランなる、NSXを生産工場に戻してそこの設備や人員を使って新車時の性能や質感を蘇らせるサービスプランが設けられている。メーカー自らが行うものとしては、日本車では唯一のものであり、世界的に観ても極めて希である。なお、生産終了後もこのサービスプランは継続されている。
2002年夏、同じ280馬力を誇ったライバル車種は日本の平成12年排ガス規制をクリア出来ず次々と生産中止に追い込まれていった。ライバル車種に厳しい逆風が吹く中、NSXは1999年にエンジンをLEV化し排ガス規制値をクリアしていたため今日まで生産が可能だったが、2006年に欧米で始まる最新の燃費・排ガス環境規制に基本設計から長期間が経過したNSX専用エンジンを対応させると多大な改修費用が掛かってしまう事等から2005年で生産を終了するに至った。現在後継のモデルを開発しているライバル各社と同様にホンダも後継モデルを開発中。NSXも四輪スポーツモデルの頂点の座を次期モデルに託す形となった。
1996年からは市販車レース国内最高峰の「全日本GT選手権」に参戦開始。2000年にはGT500クラスで、2004年にはGT300クラスで、年度チャンピオンを獲得している。2005年からのレースの名称が「Super GT」に変更以後も参戦を続けている。近年はミッドシップ車に対しての不利なレギュレーションに悩まされて色好い結果は残せていなかったが、最近はコンスタントに優勝を飾るなどして復調の兆しが見える。また、改造範囲が限定された市販車により近い「スーパー耐久」にも参戦している。海外においては2003年と翌2004年にニュルブルクリンクで行われた「ニュルブルクリンク24時間レース」に参戦したこともあった。
NSX自体の生産及び販売は2005年で終了されたものの、2006年度も引き続きSuper GTにはNSXで参戦している。
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