Hotspot and moving plate.JPG
ホットスポット(hotspot)とは、プレートより下のマントルに生成源があると推定されるマグマが吹きあがってくるほぼ一定の場所若しくはマグマが吹きあがってくるために(海底)火山が生まれるほぼ一定の場所のことをいう。厳密に言えば数千万年間でみると年1~2cmほど動いていることが判明しているがマントルが剛体でないために場所が微妙に揺れ動いているのにすぎず、意味のある動きではないと考えられている。
ホットスポットの成因
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ホットスポットの成因を簡単に述べると、
プリュームテクトニクスでいうところのホットプリュームの先端が
地殻(若しくは
プレート)の弱い部分を突き破って現れた火山ないしそれに類する地形ということができる。
すなわち、海洋プレートが
海溝で沈み込むとその先端が上部
マントルと下部マントルの境界と考えられるおよそ地表より670kmの深さで滞留し、スラブとなる。スラブがちぎれて「メガリス」となって下部マントルの「海」に沈むと周辺のマントルを冷却する(コールドプリューム)とともに対流をおこすこことになり、ホットプリュームが発生する。
ホットプリュームの先端がプレートの弱い部分を突き破って火山となる。すなわちホットスポット自身はプレートの動きとは直接関係がなく、マントル内部の動きが地上に現れたものといえる。
ホットスポットの地球科学上の意味
ホットスポットの地球科学上の意味は、前述のようにマントル内部のプリュームテクトニクスが地表に顔を出したものであるほかに、
プレート運動の証言者という意味がある。
ホットスポットの典型例として挙げられるのは、
ハワイ諸島及び
天皇海山群である。ハワイ諸島及び天皇海山群は、
アリューシャン列島と
カムチャッカ半島の付け根部分からハワイ諸島まで「く」の字を横倒しにしたように並ぶ古い海底火山(海山)と火山島の列であるが、北端では7000万年前、海山列の折れ曲がる北緯40度付近では、4200万年前であることが判明している。つまり北から順に古い海底火山(海山)と火山島が並んでいることが証明された。このように岩石の年代からホットスポットの軌跡が描かれていると考えられる場所は世界で20ヶ所ほどあると考えられている。Minsterは、それらのホットスポットの軌跡のある場所がプレートの動く方向と一致しているか検証したところ、ほぼ一致するという結果が得られたばかりか、
太平洋プレート、
ココスプレート、
ナスカプレート、
インドプレートの動きが他のプレートの動きよりも早いことまで判明した(Minster et.al.1974)。反面同時に、ハワイ諸島及び天皇海山群がホットスポットによって生成された
海底火山が火山島となり、プレートの移動によって活動をやめ、ベルトコンベアーに載せられたように順次北西方向に連なる海山となって海底に眠っていることも証明された。
現在ホットスポットが所在する主な場所
ホットスポットの発生は、大陸の移動には影響されないが、ホットスポットがプレート内部で多く発生することによって、大陸移動の契機になりうると考えられている。つまり、ホットスポットができるとプレートに放射状に3方向へ割れ目ができるが、そのようなホットスポットが多数あることによって割れ目同士がつながり中央海嶺の成因になるということである。実際現在の大西洋はホットスポットと重複している場所が多く確認されており、アフリカの大地溝帯もアフリカスーパープリュームの地表部分をなすホットスポットであり、巨大な割れ目となって大陸が分裂し、将来的に中央海嶺が形成されるだろうと考えられている。
ホットスポットの種類及び形状
ホットスポットの種類は大きく分けて2種あると考えられる。
地震波トモグラフィーの画像によって南太平洋の海底の下のマントルが非常に高温であることとその高温域がハワイに枝状につながっていることが明らかになった。つまりタヒチは南太平洋の高温域である下部マントルのスーパープリュームが部分的に地表に直接的に現れた姿であり、ハワイはスーパープリュームの影響を受けつつ上部マントルの第3次ホットプリュームが表出したものであると考えられるようになった。このタヒチ型とハワイ型の違いは、地震波トモグラフィーの画像のほかに双方の火山噴出物の違いからも明確である。ハワイで噴出する
玄武岩は、地表からの深さ200kmよりも浅い海嶺玄武岩の元になる物質と200kmよりも深い「始源的」ともいうべきマントルの物質の混合物であるが、タヒチのそれは、
鉛の極端に少ない玄武岩で「始源的」なマントルの物質が吹き出したものである。タヒチの他には
セントヘレナが知られている。タヒチの噴出物である玄武岩に鉛が少ないのはプレートが沈み込む段階で鉛が失われるという説と核に鉛が吸収されるという説があるが実際にはその理由はわかっていない。
5types of hotspot.JPG
一方ホットスポットには多様な形状がみられる。
- ハワイ型;断続的にマグマのかたまりが吹き上げてくる。
- 東経90度海嶺型;東経90度海嶺は、インド洋、ベンガル湾の南方の海底にある。連続的にマグマが吹き上げてくる。
- オントンジャワ型;オントンジャワ海台は、現在のニューギニア島の東方の海底で1億2千年前(中生代)に活動を行っていた海底火山の一種。スーパープリュームの先端部分がリソスフェアを突き破ってだらだらと大規模に溶岩を吹き出し巨大な海台を形成する。オントンジャワの噴出規模は、周辺の海台を合わせると8000万㎥に及びこれはデカン高原の200万㎥の40倍もの規模である。
- 中部太平洋海山列型;プリュームが吹き上げる中で散在的に高温のマグマ部分があってそれが噴きあげて散在的に海底火山や海山、火山島を形成する。
- ナウル海盆型;ハワイ型とオントンジャワ型の中間であり、オントンジャワほど大規模ではないがプリュームが吹き上げる物質を数回に2~3回にわたって多量に噴出する。
参考文献
- 上田誠也、佐藤任弘他編『岩波講座地球科学11』変動する地球Ⅱ―海洋底―,岩波書店,1979年 ISBN 4000102818
- 都城秋穂、安芸敬一編『岩波講座地球科学12』変動する地球Ⅱ―造山運動―,岩波書店,1979年 ISBN 4000102826
- 丸山茂徳、伊藤笙他編『最新・地球学』朝日ワンテーママガジン11,朝日新聞社,1993年T602011111300
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