ビオトープ(Biotop、独語)は、バイオトープ(biotope、英語)とも表記し、生物の生息環境を意味する生物学の用語であり、また生物・環境教育の文脈では人工的に作られた生態系を指す言葉である。言葉はラテン語とギリシア語からの造語で、「bio(いのち)+topos(場所)」である。 また人工的に生物群の棲息場所となるよう環境を整備した場所のことを正しくはビオトープ・ガーデンと言うが、この呼称は日本ではあまり浸透していない。
ただし、この言葉は特に生態系(Ecosystem)との違いが明確ではなく、どちらでも使える場合もあり、現在では生態学用語として使われる場面は多くない。生態学の分野で使われる場合にも、以下の用法で使われている例が多い。
つまり、これまでは機械的に形作られてきた河川護岸を、生物の生息場所であると意識し、それを積極的に利用する方法が始められたのである。
このような、人為的に多様な生物的環境を創造する試みのことを、エコアップなどと称する場合もある。
自然の水草や水生植物とプランクトン、小さな魚に昆虫の幼虫、昆虫などが、一つながりの生態系、また食物連鎖を維持していること、そこから自然環境の成り立ちとそのシステムを学ばせるため、全国各地に増えつつある。特に2001年から導入された総合的学習の時間の取り組みとしても注目され、拡大に拍車をかけた。
またこうした学習が、川にホタルを呼び戻す運動になったり、川に空き缶をボイ捨てしない呼びかけになったり、と環境との取り組み方を考えるきっかけにもなっている。
このようになった理由は、上記のような流れの中で、日本においては非常に多くの場合に、それが水辺に関わる活動になったためである。たとえば市民運動のレベルでは、よく看板に上がるのがホタル(実際にはゲンジボタルのこと)やトンボ、それに希少な淡水魚であった。この理由は、多分、日本における人里の環境が、水田耕作を中心とした、水の多い環境であったこと、そして第二次世界大戦後の今日までの歴史の中で、身近に見かけられるなかで、最も破壊が進んだのが水辺環境であったためである。河岸は護岸工事で固められ、川の水は水質汚濁、また、水田は圃場整備事業によって広いが単純なものとなり、水路からは切り離され、水路は単なる側溝となった。しかも、農薬散布がこれに被さり、昔は身近に見られた多くの生き物が姿を消したのである。これを取り戻す方法として、ビオトープを取り上げれば、どうしても対象は水辺になるのである。
もう一つは、水辺環境は作りやすい、という点である。池を掘って一年もすれば普通種のトンボは入って、地域によってはカエルも集まる。そこへメダカを少々、水草を入れれば、これで十分に子供が喜ぶ環境が作れるのである。同じように生物豊かに見えるものを陸上で作るとなると、これはかなり難しく、しかも時間がかかる。
もう一つには、水辺環境が人々に喜ばれるものである、という点も上げられる。特に、子供たちにはそこに住む生き物も含めて魅力が大きい。また、それを手に取り、どろんこになる体験の教育効果も期待される。このような、水田を想定した浅い池のビオトープを田んぼビオトープなどと称する。
ただし、作るのは簡単だが、維持管理は結構困難であることは、あまり知られていないところである。それも、規模の大きな機械作業ではなく、個々の作業は些末でも、こまめな、長期にわたる作業が必要な場合が多い。そのため、お役所仕事とはなじみが悪い。
また、学校での取り組み例にも、安易に業者に任せて、他地方の水草を持ち込んだり、外来種を導入したりと、本来の意味からはかけ離れたものを散見する。(日本国内においても他地方の生き物は外来種となる。)
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