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ハリモグラ
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ハリモグラ
Tachyglossus aculeatus
分類
界: 動物界 Animalia
門: 脊索動物門 Chordata
亜門: 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱: 哺乳綱 Mammalia
亜綱: 原獣亜綱 Prototheria
目: カモノハシ目 Monotremata'''
科: ハリモグラ科 Tachyglossidae
属: ハリモグラ属 Echidna_(mammal)
ミユビハリモグラ属 Zaglossus
  • ハリモグラ属 Echidna_(mammal)
    • T. aculeatus
  • ミユビハリモグラ属 Zaglossus
    • Z. bruijni
    • Z. bartoni
    • Z. attenboroughi
    • Z. hacketti(絶滅)
    • Z. robustus(絶滅)

ハリモグラは、脊椎動物亜門 哺乳綱 カモノハシ目(単孔目) ハリモグラ科ハリモグラ属に属する、唯一の現生種 Tachyglossus aculeatus である。 また、広義には、ハリモグラ科に属する動物の総称でもある。現生のハリモグラ類、すなわち、ハリモグラ科に属する動物は、ハリモグラ属の(狭義の)ハリモグラと、ミユビハリモグラ属に属する3種 (Zaglossus bruijni, Z.bartoni, Z.attenboroughi ) の、計4種しかない。

ハリモグラ科 Tachyglossidae


ハリモグラ科は、カモノハシ科とともに、カモノハシ目(単孔目)を構成する。カモノハシ目は、オーストラリア区にのみ生息する原始的な哺乳類のグループで、爬虫類鳥類と同じように産卵し、孵化した子に授乳して育てる。また、尿道生殖孔肛門が分化していない総排出腔をもつ。

ハリモグラ科の動物は、体表を覆うやわらかい体毛のほかに、太くて硬いトゲ(体毛が特殊化したもの)をもつが、ハリモグラが背面から側面にかけてトゲに覆われているのに対して、より大柄で鼻面も長いミユビハリモグラは、やわらいかい毛に隠れて、トゲがほとんど目につかない。そのために、両者の外見的な印象は、かなり異なっている。体温は一定ではないが、寒い季節でも外気より高く保たれている。目は小さく、視覚は弱い。耳の穴はかなり大きいが、耳介がなく、外からは見分けづらい。だが聴覚はたいへん鋭く、人間が気づかれずに近づくのは難しいと言われる。

ハリモグラ類は、細長くとがった鼻面をもち、その先端近くに、わりに大きな鼻孔がある。嗅覚も鋭く、落ち葉や下生えの中に鼻先を突っ込んで掘り返しながら食物を探すのに役立つ。口は小さく、歯はまったくない。ハリモグラはシロアリアリ、ミユビハリモグラはミミズや単独性の昆虫を主な食物とし、細長く柔軟な舌でこれらの食物をなめとり、素早く口の中に運ぶ。舌は、非常に大きな唾液腺から分泌されるねばねばした液でおおわれている。歯の代わりに、舌の奥に角質のトゲを備えたパッドがあり、これと口蓋にある同じようなトゲをこすり合わせて、摂取した食物をすりつぶす。四肢にはそれぞれ5本の指があり、そのうちの数本には長くて丈夫な爪があって、蟻塚を壊したり、ミミズを押さえたりすることにも利用される。

ハリモグラ Tachyglossus aculeatus


(狭義の)ハリモグラは、頭胴長30~45cm、尾長 ocm、体重2.5~8kg。オスはメスより25%ほど大きい。背面から側面にかけて、トゲがびっしりと密生しており、これが最大の外見的特徴である。トゲは体毛が特殊化したものであり、長さは数cm、基部は黄色、先端は黒色。トゲの間、また、体の下面や四肢は、黒色から淡褐色のやわらかい体毛に覆われている。

ハリモグラは、かたい土の上で敵に襲われたり、物音に驚いたりしたときは、体を丸め、のイガ状になることで身を守る。一方、地面がやわらかれば、驚くべきスピード(条件に恵まれれば2-3分)で土を掘り下げ、地面に垂直に沈んでいき、ついにはトゲだらけの背中しか見えなくなってしまう。「ハリモグラ」という和名に反して、基本的に地上生の動物だが、短いが力強い四肢と大きな爪をもち、穴を掘るのは非常に巧みである。岩の裂け目や丸太の穴の中にもぐりこみ、爪やケヅメで触れるものにしがみつくこともあるが、一旦こうなると、この動物を地上に引っ張り出すのは、非常に困難であるという。

ハリモグラの細長い鼻面は、頭長の約半分を占め、毛はない。その先端にある口は、円筒形の舌を出し入れできるだけの幅しか開かない。シロアリやアリをなめとる舌は、口先から最大で18cmも突き出すことができる。 ハリモグラは基本的に単独で生活し、獲物の生息地の近くで暮らす。オーストラリアタスマニアに広く分布し、ニューギニア島にも生息している。半砂漠から熱帯雨林まで、海抜 0m 地帯から高山地帯まで、さまざまな環境下に広く生息する。木に登ったり、走ったりすることもでき、ときには、細長い鼻面をシュノーケルのように使って川を渡る姿も見られる。普通は夕暮れ時と夜明けに活動するが、炎暑の季節には夜行性となり、逆に寒い時期には昼間に活動することもある。岩の割れ目などで眠り、暑さを避けるために、体を地面に埋めて眠ることもある。雨も嫌いで、雨が降り続いていると、何日間でもじっとしている。

オーストラリア大陸では、真冬にあたる6-8月が、ハリモグラの交尾期である(冬眠の習性があると伝えられることもあるが、冬眠しながら繁殖することは不可能なので、この説は限りなく疑わしい)。この時期になると、メスの腹部には育児嚢(いくじのう)ができる。これは、腹部がくぼむと同時に、両側の皮膚と筋肉のひだが大きくなって形成されるものであり、フクロネズミ目(有袋目)のものほど完全な袋状ではない。メスは約14日の妊娠期間ののち、仰向けの姿勢で、自分の育児嚢の中に卵を産む。産まれる卵は通常は1個だが、まれに2~3個のときもある。直径 14~17mm(ウズラの卵大)で、やわらかい殻に包まれている。卵は約10日で孵化し、生まれた子は、トゲが生えはじめるまで、そのまま育児嚢の中で生活する。母親は乳首をもたず、子は、育児嚢の前縁の近くにある乳腺からにじみ出るクリーム状の乳をなめて育つ。育児嚢を出た後も、約6か月間、子は母親から乳をもらい続け、生後約1年で独立して、母親のもとを離れていく。野生での寿命は不明だが、飼育下では極めて長生きで、最高49年が記録されている。

キャラクターとしてのハリモグラ

ミユビハリモグラ Zaglossus bruijni, Z.bartoni, Z.attenboroughi


ミユビハリモグラは、頭胴長45~90cm、体重5~10kgと、ハリモグラよりかなり大きい。灰色から黒色のトゲをもつが、このトゲはハリモグラのものよりも短く、数も少ないので、褐色から黒色の体毛の下に隠れて、目にふれないことが多い。前後肢とも、3本の指の爪が発達している。山岳地帯の森林に住み、主食とするミミズのほかに、単独性の昆虫類も食べる。下方に湾曲した、きわめて細長い鼻面は、頭長の3分の2を占める。舌には、先端から口の奥に向かって、約3分の1のところまで、1本の溝があり、その中に角質の突起が生えている。この突起でミミズをひっかけると、ミミズは頭または尾から、舌の溝にそって、ちょうど蕎麦をすすりこむようにして、長い鼻面に取り込まれる。

ミユビハリモグラ属の現生種は、従来 Z. bruijni の1種のみとされていたが、最近になって Z. bartoniZ. attenboroughi が分離されて、3種となった。なお、従来 Z. bartoniZ. bruijniシノニム (同種異名) であった。

ミユビハリモグラ属は、現生種のほかに3種の化石種が知られる。それらはかつて、オーストラリアとタスマニアの多くの地方に生息していたが、更新世後期までに絶滅した。現生のミユビハリモグラは、ニューギニアの高地にしか分布していない。化石種のうちで最も大きなものは、更新世に生息したジャイアントミユビハリモグラ (Zaglossus hacketti) で、頭胴長が約90cm あった。

ミユビハリモグラには、狭義のハリモグラに比べて飼育例が少ない。野外での生態についてもあまり知られていないが、だいたいのところはハリモグラに準ずるものと考えられる。野生での寿命も不明だが、ロンドンの動物園で、30年間飼育された例がある。生息の実態にも不明な点が多いが、現地では肉をとるために広く狩られており、存続が危ぶまれている。IUCNレッドリストでは、EN(絶滅危惧種)に指定されている。

単穴目

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