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ハプニングとは、1950年代後半にアラン・カプローらが創始した、ギャラリーや市街地でゲリラ的に行うパフォーマンスアートや無許可での作品展示などの総称。カプローは音楽家ジョン・ケージとの出会いに影響を受け、その偶然性の音楽からハプニングという表現を考え出した。(さらに遡れば、ダダイスムシュルレアリスムにまで行き着くであろう。)

その展開には筋書きがなく、周辺の環境など偶然性に左右されていた。観客や一般市民をいやおうなくハプニングに巻き込み、観客芸術家の境や、見る者と見られる者との境をあいまいにすることが意図された。また、日常生活の中に芸術を侵入させたり、逆に芸術活動が期待されている場で日常生活と変わらない行為を行うことで、日常生活と芸術との境界の無化や統合を目指した。

最初に「ハプニング」が行われ、「ハプニング」という用語が使われたのは、カプローが1959年ニューヨーク市のルーベン画廊で開催した展覧会『6つの部分に分かれた18のハプニング』であった。ここでは小部屋に仕切られたギャラリー内で、各部屋無関係のハプニングが延々と続き、それらのハプニング同士の出会いや関係性を見せようとした物だった。

やがてハプニングは多くの音楽家や美術家など芸術家に影響を与え、ギャラリーや美術館など既成の美術展示空間の外部で行われる身体表現として広まった。1960年代の芸術にかかわった者は、何らかの形でこの一種の身体技法の運動に接しているともいわれる。音楽ではジョン・ケージボグスワフ・シェッフェル一柳慧が主にインストラクションの形で楽譜に定着させている。フルクサスは自分達の取り組みをハプニング、ではなく台本のあるイヴェントと呼び「ギャグみたいなものだ」と説明していることなどから、ハプニングはイヴェントほどの取り返しのつかない試行錯誤を回避したかもしれない。

カプローは観客や会場など周囲の環境とのかかわりを考えていたことから、環境芸術と呼ばれる一連の芸術の創始者ともなった。またハプニングは後にパフォーマンスアートインスタレーションへと影響を与えている。

近年、60年代の免疫を持たない観客もかなり多く、60年代の技法を剽窃していても全くそれに気づかずに評価を与えてしまうという例も少なくないが、一番剽窃されている技法がハプニングかもしれない。

20世紀美術 | 現代音楽

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