| 蜻蛉目(トンボ目) Odonata | ||||||||
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| 分類 | ||||||||
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| 下位分類 | ||||||||
| 本文参照 |
トンボ(蜻蛉)とは、春から秋にかけて発生する、細長い翅と腹をもった昆虫である。分類上は蜻蛉目(せいれいもく・トンボ目とも)という分類群をなす。
卵 - 幼虫 - 成虫という成長段階を踏む不完全変態の昆虫である。幼虫はえらをもち、淡水中で過ごす水生昆虫で、ヤゴと呼ばれる。
成虫の頭部は丸く、ほとんどを複眼が占める。胸部は箱形で、よく発達した長い2対の翅をそれぞれ交互にはばたかせて飛行するが、空中で静止(ホバリング)することもできる。また腹部は細長く、後方へのびる。
食性は肉食性で、カ、ハエ、チョウ、ガ、あるいは他のトンボなどの飛翔昆虫を空中で捕食する。獲物を捕える時は6本の脚をかごのように組んで獲物をわしづかみにする。脚には太い毛が多く生えていて、捕えた獲物を逃さない役割を果たす。口には鋭い大あごが発達しており、獲物をかじって食べる。
なお、足は捕獲用に使用されるが、歩くには適していない。トンボは枝先にとまるのに足を使う他は、少しの移動でも羽根を使って飛ぶことが多い。
オスは腹部の前部に交尾器、先端に尾部付属器をもち、メスを見つけると捕獲して頭部と胸部の境目付近をつかんで連結する。メスは腹部をオスの交尾器までのばし、交尾をおこなう。
トンボの交接はクモと並んで特殊なものである。生殖孔は雌雄ともに腹部後端にあるが、雄の腹部後端は、先述のように雌を確保するのに用いられ、交接時にはふさがっている。そこで、雄の腹部前端近くに貯精のうがあり、雄はあらかじめ自分の腹部後端をここに接して精子をここに蓄えてある。首を雄の腹部後端に固定された雌は、自分の腹部後端を雄の腹部前端に触れて精子を受け取るのである。このとき、雄の腹部後端は雌の首に繋がり、雌の腹部後端は下を回って雄の腹部前端につながって、全体として一つの輪を作る。
交尾が終わったメスは産卵を行うが、産卵の形態は種類によってさまざまである。
ふ化した幼虫は翅がなくて脚が長く、腹部も太くて短い。腹の内部に鰓(気管鰓)をもち、腹部の先端から水を吸って呼吸を行う。移動するときは腹部の先端から水を噴出し、ジェット噴射の要領で移動することもできる。なおイトトンボの仲間の幼虫には、腹部の先端に3枚の外鰓がある。
幼虫は一般にヤゴと呼ばれ、水中のほかの生物を捕食して成長する。幼虫の下くちびるはヒトの腕のように変形しており、曲げ伸ばしができる。先端に大きなかぎが左右に開いてついていて、獲物をとらえる時は下くちびるに瞬間的に体液を送りこんで伸ばし、獲物をひっかけてしまう。小さい頃の獲物はミジンコやボウフラだが、大きくなると小魚やオタマジャクシなどになり、えさが少ないと共食いもして、強いものが大きくなる。幼虫の期間は種類によって異なり、ウスバキトンボのように1ヶ月たらずのものもいれば、オニヤンマなど数年に及ぶものもいる。
終齢幼虫は水辺の植物などに上陸して羽化し、翅と長い腹部を持った成虫となる。羽化はセミと同じようにたいてい夜間におこなわれる。羽化の様子もセミのそれと似ている。ただし、トンボの成虫は寿命が数ヶ月ほどと長く、成熟に時間がかかるものが多い。羽化後、かなりの距離を移動するものも知られている。アキアカネなどのアカトンボ類は、夏に山地に移動し、秋に低地に戻ってくるものがある。その後、交尾・産卵を行って死ぬ。ふつう幼虫で越冬するが、オツネントンボの仲間は成虫で越冬する。
なぜ「トンボ」と呼ばれているかは定かではないが、一説には「稲穂が飛んでいる様に見えたから」とも言われている。事実、古い言葉の残る地域では、名詞の場合、2文字目に「ん」がきて3文字目に濁音が来る場合、2文字目の「ん」は後から挿入されたケースが多い。この法則を当てはめると、「とぼ」となり、「と」は「飛」、「ぼ」は「穂」を当てる事が出来る。つまり「飛ぶ穂」となるわけである。
トンボは勝ち虫とよばれ縁起物であり、特に武士に喜ばれた。戦国時代には兜や鎧、箙(えびら)刀の鍔(つば)などの武具、陣羽織や印籠の装飾に用いられた。トンボを勝ち虫とする由来は雄略天皇が狩に出かけた際に詠んだ歌が元になっている。素早く飛び回り害虫を捕食し、前進するのみで後退しない攻撃的な姿からともいわれる。徳川四天王の一人本多忠勝は蜻蛉切(とんぼぎり)とよばれる長さ2丈(約6m)におよぶという長槍を愛用した。名前の由来は蜻蛉が穂先に止まった途端に真っ二つに切れてしまったという逸話にちなんでいる。
また、中国の影響で、精力剤となるというふれこみで漢方薬として服用された。1913年にはトンボを商号とした、トンボ鉛筆が創業されている。
この他にも模様のついたガラス玉をトンボの複眼に見立てた蜻蛉玉や、その形状からトンボと名付けられた道具などがある。
トンボ取りは子供の遊びで、目玉の大きいトンボの目の前で、指を回して目を回させようとするのは、実際の効果は高くない。戦前は、竹竿の先にトリモチをつけてとるのが一般的だったようだ。
ヨーロッパでは「魔女の針」などとも呼ばれたり、その翅はカミソリになっていて触れると切り裂かれるという迷信もあった。また、トンボが刺すという誤解も広く流布しているようである。 赤とんぼ.jpg
最近では、身近な環境を、多くの生物が住めるように整えるというビオトープの考えの元、様々な試みが各地でなされている。多くの場合、単に”様々な生物”では通りが悪いし、人目も引きつけられないので、特定の生物の保護を看板に持ってくることが往々にしてある。その中で、ホタルやトンボは看板に出ることが多い。それだけ一般にアピール度が高いと言うことだろう。成虫が餌を採らず、寿命が短いホタルの場合、水条件と水周辺の木陰程度があれば生息可能なので、案外簡単に繁殖させられる。それに対して、トンボの成虫は寿命も長く、飛翔力が強く、水場だけではなく、その周辺に十分な面積の緑地環境が必要である。それだけにトンボの保護は難易度が高いが、環境保護活動としては意義も大きいと言える。また、都会に於いては、一つの池ではトンボの生活が維持できない場合もあるが、ある程度の距離を置いて、そのような施設を多数設置すれば、飛翔力の強い彼らのこと、それらを移動しつつ生活を維持できるのではないかとの考えも出ている。
ほかにもたくさんの科が認められている。
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