トラックレースとは、自転車競技にて、陸上競技のトラック種目のように競技場の中で周回するレースのこと。その競技場のことを自転車では、自転車競技場や競輪場と呼ぶ。
自転車競技場の走路(バンクまたはトラック)は、板張り・コンクリート・ウォークトップ(軟らかいアスファルト)などで舗装されており、カーブは全速力でも速度を落とさず走れるよう走路に角度(カント)を付けている。一周の長さは海外では250mが多いが、日本では競輪の法律が影響していて300m~500mとなっている所がほとんである。なお333.3mの走路もあるが、これは3周で1000mの扱いとなっている。
タイムトライアル
決められた距離を時間で争う。男子は1000 m、女子は 500 m。
以下はUCI世界自転車競技連盟からの世界記録
- 男子 スタンディングスタート(停止してから) アマチュアで野外競技場
- 1'02''547 MAIK MALCHOW (RDA) 14.10.1980 MEXICO (MEX), Vélodrome Olympique
- 女子 フラインググスタート(助走有り) 室内競技場
- 29''655 ERIKA SALOUMIAEE (URS) 06.08.1987 MOSCOU (URS)
スプリント
主に2人で競い、決められた周回をゴールするまで走る。途中での位置取りをめぐる駆引きが勝敗に大きく影響し、その中で相手を牽制するために停止(もちろん足を付かずに)したりする事もある。(逆走は禁止)
中野浩一が世界選手権で10連覇成し遂げた種目として、日本でも注目されて認知度が高くなった。
チームスプリント
トラックを3人のチームで3周回する。次々に先頭が1周回ごとに外れてゆき、最後の1名によるタイムで競う。
2004年アテネオリンピックで日本チームが銀メダルを獲得した。
ケイリン
日本発祥の
公営競技である
競輪を元に作られた競技で、それと区別するため「ケイリン」と表記される。
現在では国際自転車競技連合(UCI) によって"KEIRIN"の名で正式種目と認定されており、世界選手権やオリンピック(2000年のシドニーオリンピックより、柔道に続いて日本生まれのスポーツとして2番目にオリンピック正式種目になった)などの国際大会でも競技が行われている。
なおオリンピックで行われる日本発祥のスポーツは柔道とケイリンの2種目のみであるため、日本のお家芸といわれる。
自転車競技種目のケイリンは、主に6名以上の選手で争われ、基本的なルールは競輪の先頭固定競走とほぼ同じである。選手とは別に先頭誘導員が1人いて、電動補助付き自転車かデルニと呼ばれる特殊なオートバイを使い、決められた周回を先頭で空気抵抗を減らしながら走る。なお先頭誘導員がいるのは、一番前にいる選手が風の抵抗を受けて不利になるのを避けるためである(ちなみに公営競技としての競輪においては、誘導員は自力で自転車を動かす)。そして誘導員が責任周回を果たして圏内線の中へ退避する辺りから本格的に競走が始まり、各々1着でゴールできると思った位置からダッシュをかける。選手同士の連携は公営競技としての競輪とは異なりそれほど重視されない。そのため、競輪とは異なる戦術・技術を必要とする場合も多く、日本のトップ競輪選手といえども国際大会のケイリンにおいて強さを発揮できるとは限らない。
各組2人から4人が先着トーナメント方式で勝ち上がる。また敗者復活戦もあり、その勝者は準々決勝あたりで合流して勝敗の行方が面白くなる。
個人追抜競走(パーシュート/インディビジュアルパーシュート)
この種目は2人がホームとバックの同じ距離で離れた位置から
レースをスタートして、どちらかが規定の距離を先に完走するか、
途中で相手を追抜いた時点で勝敗が決まる、男子では4km、女子では3kmの距離が基本。
時間が計測されるが、参考としての記録となる。
団体追抜競走(チームパーシュート)
3人から4人のチームで
個人追抜競走と同じルールで行う。
コーナーを使っての先頭交代が作戦の鍵を握る。
ゴール地点では3人目がゴールした時点で記録が認められる。
これも時間は参考記録。
ポイントレース
20人から30人の人数で(男子最高50km以内、女子もあり)で行う。
決められた周回ごとにポイントが与えられ、
最後のゴールでのポイント数が多い者が勝者になる。
ポイント数が同じときはトップで通過したポイントの回数が多い順で決まる。
マディソン
ある決められた距離と時間内で、2人組で交代(タッチして)しながらレースを行う。休んでいる時は外側のラインを走りながら交代のタイミングを見計らう。詳しくは
マディソンを参照。
その他
アンノンディスタンス
選手には走る距離を知らせないレース。集団でレースを展開しながら合図があってから、最初の取り決めた周回数を消化してゴールする。合図があるまでの集団での位置取りがレースの見所。
ミスアンドアウト
周回ごとに最後の走者か 2人をレースから除外してゆき、決められた
人数になったときに決められた周回を回りゴールする。
少し複雑な頭脳プレイを要求される。
ドミフォン
前の
オートバイ(ペーサー)、後の自転車(ステイヤー)の2人1組で走る。先導のオートバイは誘導される自転車が接触して転倒するのを防ぐため、後輪の更に後ろにローラーを張り出させた特殊な作りになっている(タイヤが接触するとローラーは対称方向に回る)。決められた時間内での周回数で勝敗が決まる。先導のバイクとの距離が近いほど空気抵抗が少なくなるので、チームのコンビネーションがよいことも重要な要素になる。騒音の関係で大抵野外の競技場で行われる。
アワーレコード
1人が1時間以内にどれだけの距離を走れるかの単純な種目。ただ、これに
挑戦する競技者は、かなりの実績のあるトップレベルの競技者でないと実現
が難しい。現在の世界記録は UCI の記録より
- 55km291 TONY ROMINGER (SUI) 05.11.1994 BORDEAUX (FRA)
- この記録は別枠に乗っている。自転車に少し問題があった。
- 56km375 CHRISTOPHER BOARDMAN (GBR) 06.09.1996 MANCHESTER (GBR)
競輪
日本の自転車競技の中で、トラック種目はプロフェッショナルの競輪が有名。「NJS規格」に適合した部品のみで構成される専用自転車(
トラックレーサー、ピストレーサーとも)を使用する。
競輪は第二次世界大戦の終わりから、のちの日本自転車振興会が主催するようになった。
一時期は、女性の競輪もあった。
プロの競輪選手もケイリンに参加している。
詳しくは競輪の項を参照。
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