テッキョンは韓国の民間遊戯と思われるもの。朝鮮の文化のご多分に洩れず資料が少ないため実態はよくわからない。確かなのは、広く行われていたわけではないということぐらいであり、漢字で手縛・手縛戯・手拍・手拍戯と書くようだが、朝鮮半島の歴史書である三国史記・三国遺事・高麗史・朝鮮王朝実録に記載は無い。
朝鮮半島の資料上の初見は李朝の正祖朝時代(1776-1800)のものである。19世紀中期に活動した劉淑の絵にテッキョンと思しきものがある。対峙する二人の周りを酒を飲んだりタバコをすったりしている見物人が囲む様子は、テッキョンの見世物としての実態を示唆している。5世紀に描かれた高句麗の万能壁画をもって、起源を称する場合もある。
現代韓国に流布する言説の多くは、テッキョンが日本統治下で弾圧されたとする。しかし、彼らは弾圧の具体的な証拠を提示しない。禁止する以前に、そもそもテッキョンが盛行していたようには見えない。これとは別に、テッキョンが空手に似ていることに気付いた日本が、強制的にテッキョンの名を空手に変え、空手の要素を加えさせたという主張も存在するが、これは明らかに前者と矛盾する。
現代においてテッキョンの名が知られているとすれば、それはテコンドーがテッキョンをその起源と主張しているからである。テッキョンとテコンドーは名前が似ているが、それはテコンドーという名前がテッキョンに似せて作られた非常に新しい(1954年)造語だからである。テコンドーの命名の背景には、蹴りの要素をもったテッキョンと結びつけることによって、実際には空手を基にしていることを隠蔽しようという意図がある。しかし、現存する資料はいずれも、そもそもテッキョンを格闘技とはみなしていない。下層階級の低俗なゲームとして扱われている。
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