チオ硫酸ナトリウム(チオりゅうさんナトリウム、Sodium thiosulfate)は、化学式 Na2S2O3 であらわされるナトリウムのチオ硫酸塩。CAS登録番号は7772-98-7(無水塩)、10102-17-7(五水和物)。
普通に市販されているものは五水和物(Na2S2O3・5H2O)の無色透明のややゆがんだ直方体の結晶で、通称ハイポ(Hypo)と呼ばれる。水溶液はハロゲン化銀(銀塩写真の感光剤)の結晶を溶解するので、写真の定着剤として使用される(この性質は、ジョン・ハーシェルによって発見された)。
水道水中の塩素などハロゲン元素の単体を除く作用があるので、金魚、熱帯魚など水生生物の飼育において、換水に際してなど塩素消毒の施された新鮮な水道水を水槽に入れざるを得ないときに、あらかじめ少量添加して使用されたりもする。またこの性質は、医療においてポビドンヨードのようなヨウ素製剤を用いて消毒をした後に、ヨウ素による着色を脱色するのにも用いられ、このときにはエタノール溶液(ハイポアルコール)の形で用いる。
他に医療の分野ではシアン化物(青酸カリなど)中毒の解毒剤としてシアンを一端メトヘモグロビンに結合させ徐々解毒する為に、チオ硫酸ナトリウム水溶液の連続静脈注射と亜硝酸化合物を併用する。亜硝酸塩は血液中のヘモグロビンと反応してメトヘモグロビンとなる。メトヘモグロビンはヘム鉄やチトクロームの鉄よりもシアンと強く結合するのでシアンの中毒症状の発現を遅らせる働きがある。
写真材料店、熱帯魚店などで入手可能だが、酸と反応させると有毒な二酸化硫黄(亜硫酸ガス)が発生するのでこれらを互いに混合、或いは接触させないように注意を要する。
発生する塩酸や硫酸は強酸ではあるが、水道水に含まれる程度の量の塩素から生成される量はごく微量のため、水のpHに及ぼす影響はごくわずかなので、水生生物にはほとんど悪影響はみられない。
また、水道水中の塩素による水生生物への急性中毒防止そのものよりも、塩素と水生生物の排泄物などが反応して生成される可能性のあるクロラミン(NH2Cl、NHCl2)等の魚には有毒とされる物質の発生を防ぐ効果の方が大きいともされる。
ヨウ素による着色の脱色反応は、上記の反応式の塩素をヨウ素に置き換えればよい。
チオ硫酸ナトリウム + 次亜塩素酸 + 水 → 塩化ナトリウム + 硫酸 + 塩酸
Natriumthiosulfat | Natriumthiosulfat | Sodium thiosulfate | Тиосульфат натрия | 硫代硫酸钠
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