蛋白質(たんぱくしつ)とは、プロテイン(protein)ともいい、L-アミノ酸が多数連結(重合)してできた高分子化合物であり、生物の重要な構成成分のひとつである。学術用語としては、「蛋白質」という漢字表記は用いず、「タンパク質」と表記する。
連結したアミノ酸の個数が少ない場合にはペプチドもしくはポリペプチドと呼ばれることが多いが、名称の使い分けを決める明確なアミノ酸の個数が決まっているわけではないようである。なお「蛋白質」の「蛋」とは卵のことを指し、卵白がタンパク質を主成分とすることによる。栄養学者の故川島四郎が「蛋白質」では分かりにくいとして「卵白質」という語を使用したが、あまり流行らなかったようだ。
二次以上の高次構造は、いずれも一次構造で決定されるアミノ酸配列を反映している。例えば Glu、Ala、Leu が連続するとαへリックス構造をとりやすい。Ile、Val、Metはβシート構造をとりやすい。また各構造の継ぎ目の鋭角なターンの部分には Gly、Pro、Asn が置かれる、などの例がある。さらに、疎水性アミノ酸残基同士は引き合い(疎水結合)、Cys 同士はジスルフィド結合を形成して高次構造を安定化させるなど。
生体のタンパク質を構成するアミノ酸は20種類あるが、それが3つ連結したペプチドだけでも203=約8000通りの組み合わせがあり得る。タンパク質については、その種類は数千万種と言われる。生物の遺伝子(ゲノム)から作られるタンパク質の一そろいのセットは、プロテオームと呼ばれるが、ヒトゲノムの塩基配列解読が終わった今、プロテオームの解析(プロテオミクス)が盛んに進められている。
タンパク質の機能は上記の三次構造・四次構造(立体構造)によって決定される。これは、同じアミノ酸の配列からなるタンパク質でも、立体構造(畳まれ方)によって機能が変わるということである。たとえばBSEの原因となるプリオンは、正常なプリオンとは立体構造が違うだけである。なお、多くのタンパク質では、熱や圧力を加えたり、溶液の pH 値を変える、変性剤を加えるなどの操作により二次以上の高次構造が変化し、その機能(活性)を失う。これをタンパク質の変性という。変性した蛋白質においては、疎水結合、水素結合、イオン結合の多くが破壊され、全体にランダムな構造が増加したペプチド鎖の緩んだ状態になることが知られている。タンパク質の変性は、かつて不可逆な過程であると考えられてきたが、現在では多くの蛋白質において、変性は可逆的な過程である事が確認されている。なお、変性した蛋白質を元の高次構造に戻す操作を蛋白質の再生という。蛋白質の再生は、原理としては、畳み込まれたペプチド鎖を一旦完全にほどき、数時間かけてゆっくりと畳み込むよう条件を細かく調整・変化させることで行われている。
特定のアミノ酸配列に対して、存在しうる安定な高次構造が複数存在するにもかかわらず、生体内では特定の遺伝子から特定の機能を持つ高次構造をとったタンパク質が合成できるかは、必ずしも明らかではない。多くの蛋白質が、変性した後にもその高次構造の再生が可能なことから、一次構造それ自体が、高次構造のかなりの部分を決めていることは疑いがない。しかし、先の蛋白質の再生は数時間かかる操作(実際には、二次構造の畳み込みはかなり迅速に起こっていて、三次構造の確定に時間がかかるらしい)であるのに対し、生体内での蛋白質の合成は長くても数秒で完了することから、他にもタンパク質分子を高速に畳み込み、正しい高次構造へと導く因子の存在が考えられている。(例:タンパク質ジスルフィドイソメラーゼ、プロリンシストランスイソメラーゼ、分子シャペロン)
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なお、タンパク質は周囲の環境の変化によりその高次構造を変化させ、その機能を変えることができる。タンパク質である酵素は、その触媒する反応の速度を条件に応じて変化させることができる。
上記のようなタンパク質の高次構造は、X線結晶構造解析による直接決定およびタンパク質構造予測による理論的推定などによって解析され、立体構造と機能についての研究が進められているが、いずれ、ほしい機能にあわせてタンパク質の立体構造を設計し、合成できるようになるだろうと考えられている。
これまでの研究により構造が解明されたタンパク質については、蛋白質構造データバンク(PDB)*によりデータの管理が行われており、研究者のみならず一般の人でもそのデータを自由に利用、閲覧できる。
このほか、システイン、シスチン、必須アミノ酸であるメチオニンに由来する硫黄の組成比が高く、さらにリン酸の形でタンパク質に結合されているリンも多い。ジブロモチロシンに由来する臭素、ジヨードチロシン、トリヨードチロシン、チロキシンに由来するヨウ素がわずかに含まれることがある。ヘモグロビンや多くの酵素に含まれる鉄、銅や、一部の酸化還元酵素に含まれるセレン(セレノシステインの形をとる)などもある。
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