エレア派のゼノン【希】Zenon Elea 【羅・英・仏】Zeno【独】Zenon、 紀元前490年頃 - 紀元前430年頃)は、古代ギリシアの自然哲学者で南イタリアのエレア出身。
養子縁組によってパルメニデスの子となり、生涯、愛人同士でもあったという。エレアを支配していた潛主・ネアルコスを打倒しようとしてかえって捕まえられ、同志の名や武器について打ち明けるふりをして潛主の耳に噛みついて刺し殺されるまで離さなかった、という伝説が残っている。ゼノンの死については、同志として潛主の友人の名を挙げたあと、他にまだいるかとの潛主の問いに対して「国家に仇をなすあなたこそ、反乱の首謀者である」と言い放ち、自分の舌を噛み切って相手に吐きかけ、そこで市民たちは奮い立って潛主に石を投げつけて殺してしまった、という全く違う話もある。プラトンの対話篇『パルメニデス』に、師パルメニデスやソクラテスと一緒に登場させられ、アリストテレスによって「弁証法 dialektike」の創始者と呼ばれた。ソクラテスやペリクレスもゼノンの講義を聴いたことがあるとされている。
質疑応答により知識を探求する方法は、このゼノンによって初めて組織的に実践された。彼の論法は、もし存在が多であるならば、それは有限であると共に無限であるというような矛盾した結論を、相手方の主張を前提とすることから導き出して,これを反駁するところに特色がある。これらの論証は、パルメニデスの唯一不動の存在の考えを弁護する立場からなされている。この、一と多の関係についての議論のなかから、有名なゼノンのパラドックスが提示された。運動不可能を論じた〈アキレウスと亀〉〈飛ぶ矢は動かず〉等の論証は有名だが、特に前者はパルメニデスのものであるとも言われる。「実在するものが世界のすべてであり、変化も運動も存在しない」。これこそゼノンがパルメニデスから継承した命題であり、レウキッポスに影響を与えた。
ゼノンの世界観とは、以下のとおりであったという。 複数の世界が存在しており、空虚(虚空間)は存在しないということ。万物の本質は温・冷・乾・湿の諸要素からできており、そしてこれらは相互に変化するものであること。人間は大地から生まれたものであり、魂は先ほどの4つの要素が混合したものであるが、その際、それらの要素のどれ一つも優位を占めない状態にあるのだ、ということ。
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