センタイ類(蘚苔類 Bryophyta)は、陸上植物の一群の総称。コケ植物ともいう。世界中で、おおよそ2万種ほど記録されている。センタイ類は葉緑素を持った緑色の植物で、赤色や褐色の種もある。
ふだんの生活で「コケ」とよぶものは、植物であるセンタイ類のほかに、菌類と藻類の共生体である「地衣類」を指す。その他、一部のごく小型の維管束植物や藻類もコケと呼ばれる場合がある。地域によっては,キノコの類をコケと呼ぶことがある。
繁殖は、胞子によるもののほか、無性生殖として植物体の匍匐枝や脱落した葉より不定芽を出しての増殖を行なう。一部の種では、特に分化した無性芽という構造体を作るものも知られている。
胞子は放出されて発芽し、はじめは枝分かれした糸状の原糸体(げんしたい)というものを形成する。原糸体は葉緑体をもち、基質表面に伸びた後、その上に植物体が発達を始める。
配偶体は雌雄同株のものが多いが、雌雄異株のものもある。雌雄異株の場合、外見上は差のない場合が多いが、はっきり見分けのつくものもあり、中には雄株が極端に小さくて雌株上に寄生的に生活する例も知られている。
湿った環境を好む種が多く、温暖で湿潤な地域に多くの種を産する。乾燥した環境にも、数は少ないが、適応した種はある。森林に生活する種が多いが、岩場や渓流、滝の周辺などにも多くの種が見られる。畑地や水田にもそれぞれに独特のものが見られるし、市街地でもいくつかの種が生育している。
生育する基質としては、土、腐植土に生えるもの、岩の上に生えるもの、樹皮上に生育するもの、樹木の葉の表面に着生するもの、樹枝から垂れ下がるものなど、あらゆる場所に、さまざまな形で生育する。
ただし、両者の関係については論が分かれる。コケ類に近い先祖からシダが分化したのか、シダが退化的にコケに進化したのか、両者に共通の祖先があって、そこから両者が分化したのか、近縁な祖先から平行的に進化したのかなど、さまざまな議論がある。
センタイ類は大きく3つに分類される。ひとつはスギゴケやハイゴケなどの蘚類、もうひとつはゼニゴケやツボミゴケなどの苔類、そしてツノゴケ類である。(角苔はカタカナでツノゴケと表記するのが現在一般であるので、それに従う。)
コケ植物門 Bryophyta
大きく3つの綱に分けられる。それぞれに多くの種が含まれる。ここではそれぞれの特徴と区別点を述べる。詳細は各群の項を参照されたい。
植物体の形は茎葉体。葉は木の葉型で大きく裂けることはない。さくは丈夫で長く存在し、先端に帽子状の構造(帽という)をかぶっている。例外はあるが、多くのものがさくの先端に蓋があり、それが外れて生じる穴から胞子を散布する。1万種程が記録されており、日本では1000種以上が記録されている。4つの亜綱に分けられるが、大部分の種はマゴケ亜綱に所属する。
植物体の形は葉状体か茎葉体。茎葉体の場合、葉の形は丸っこく、大きく裂けて腹面側と背面側に分化する。作は比較的短期間しか存在せず、軟弱。さくは4つに割れて胞子を散布する。世界に8000種、日本では600種以上が知られている。2つの亜綱がある。
植物体は葉状体。さくは細長い角状で、2つに裂ける。その中心に軸柱がある。
したがって、コケ類の採集家は歩みが遅い。一歩進むごとに樹の肌を見、葉の上を見、枝を見、樹の根元を見、足元を見る。沢であれば岩面の向きの違う場所をずっと見て回り、岩の隙間を探し、草の根元を見、水しぶきのかかるところも見て、その周辺の樹木も見なければならない。素人目には一塊のコケの集団であっても、複数種が交じっていることも普通である。日本の蘚苔類学会のある年に行なわれた観察会では、駐車場周辺だけで1日を過ごしたとの伝説がある。
その代わりに、標本作製と保存は簡単で、一般には陰干しして、紙に包んでおくだけである。この状態で虫がつくこともほとんど無いと言う。シダや高等植物の押し葉標本が、放置すればあっと言う間にボロボロになるのとは大きな違いである。
日本文化の文脈における「コケ」については苔を参照せよ。
日本では、古来より蘚苔類は身近なものであり、多くの和歌の中で詠われている。現在、ミズゴケ類やシラガゴケ類、スギゴケ類、ツルゴケ、ハイゴケなど多数のセンタイ類が園芸用・観賞用として栽培、販売されている。
分類・系統・植物地理・生態関係では、以下のものがあげられる。
生理・生化学・化学関係では、以下のものがあげられる。
また、学会として日本蘚苔類学会がセンタイ類を専門に取り扱う学会としてあげられる。
Moose | Bryophyta | Briofito | Bryophyta | Bryophyte | Briofite | Moos | Samanūnai | Bryophyta | Bryophyta | Mossirea