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セアカゴケグモTheridiidae hasseltii)は、有毒の小型のクモの一種。和名は、「背中の赤い後家蜘蛛」の意味。日本国内には生息していなかったが、1995年11月に大阪府高石市で発見されたのを始め、三重県四日市市などの港湾都市で相次いで発見された。2005年8月に群馬県高崎市の民家で5匹見つかった。関東の内陸部で確認されたのははじめてである。本来の生息域は、東南アジアやオーストラリアなど、熱帯から亜熱帯が中心だが、日本でも越冬して発生を繰り返しているとの見方が有力で、外来種として位置づけられている。なお、クモ類では外来種は珍しく、これ以前にはクロガケジグモがあるのみである。

体長はメスが1 cm前後で、オスは3~5 mm程度。黒い体で、胸腹部の背面、腹面に赤い斑紋がある。毒は獲物を咬んだときに、獲物の体に注入されるもので、神経毒である。しかし、性格はおとなしく、手で直接触ったりしなければ咬まれることはない。また、その毒性も死に至る例は非常に少ない。オーストラリアでは古くから代表的な毒グモとして知られており抗血清も存在する。日本でもセアカゴケグモの発生した地域の医療機関で抗血清を準備しているところもある。咬まれた部位は、ちくっとした痛み、あるいは激しい痛みを感じる。その後、咬まれた場所が腫れ、全身症状(痛み、発汗、発熱など)が現れる。咬まれたら、特に子供は、医療機関での診察が必要である。

ゴケグモ類


ゴケグモ類は、ゴケグモ属 (Latrodectus) というグループに分類され、数十種が知られている。熱帯地方を中心に世界中に分布する仲間である。「ゴケグモ」の名前の由来に関して、毒性が強いため、噛まれた時の死亡率が高く、奥さんが後家になる、という俗説が知られている。実際には、ゴケグモ類の英名 "widow spider" そのままの和訳で、ゴケグモ類はオスの体がメスに比べて非常に小さく、交尾後にオスがメスに共食いされることに由来する。ただし、共食いの頻度などは種類や条件により異なる。

最も有名なゴケグモ類は、クロゴケグモ (Latrodectus mactans、Black widow spider) で、北アメリカをはじめ、世界中に広く生息する毒グモ。こちらの方が死亡例なども多い。日本では2000年以降になって米軍岩国基地内での発生が確認されている。セアカゴケグモとはほぼ同じ大きさ。セアカゴケグモをクロゴケグモの亜種に分類する場合もあり、その場合には、セアカゴケグモによる死亡例が、世界中のクロゴケグモによる死亡例と統計上合計されている場合があり注意が必要である。

またヨーロッパ南部に分布するジュウサンボシゴケグモ Latrodectus tredecimguttatus (P.Rossi, 1790)も古来より有名で、その毒による症状はゴケグモ刺咬症(Latrodectism)としてよく知られてきた。大利・池田(1996b)によれば、このクモに咬まれると、その時点での痛みはさほどではないが、10分ほどで全身症状が現れ、各部リンパ節が痛み、腹筋の硬直、さらに耐えられない痛みとともに多量の汗、涙、唾液が出、血圧上昇、呼吸困難、言語障害などが起き、回復しない場合は2-3日後に死亡するという。しかし抗血清が作られるようになってからは、アナフイラキシーショック以外での死亡例はほとんどなくなったとされる。

なお、ハードSF作家堀晃の短編に、『背赤後家蜘蛛の夜』という作品がある。これはアイザック・アジモフ推理小説、『黒後家蜘蛛の会』をもじったものだが、 セアカゴケグモ自体は直接関係なく、会の名前のパロディである。

参考文献


関連項目


クモ

Red-back spider | Latrodectus hasselti

 

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