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スーパーアグリF1チーム (Super Aguri F1 Team, 略称SAF1)は、2006年からF1に参戦を開始したコンストラクターである。

チーム概要


エントリー承認までのいきさつ

2005年日本GP前の記者会見において、突如ホンダより、新規参戦チーム立ち上げの動きがあり、そのチームへエンジン供給の用意があること、また2005年を持ってB・A・Rチームを離脱することが決定していた日本人レーシングドライバー佐藤琢磨がこのチームからオファーを受けていることが明らかにされた。

当初は、佐藤琢磨を「放出」することに対してホンダを非難する声をかわすためのものではないかと揶揄される向きもあったが、その後11月1日に、国内選手権における有力レーシングチームの1つであるARTAを率いる元F1ドライバーの鈴木亜久里が、「純日本チーム」として参戦を決意し、2006年のエントリー申請を済ませたことを明らかにする。

しかし、12月初めにFIAより発表されたエントリーリストに記載されないという事態が発生する。当初は書類申請上の不備と発表されたが、これは参戦のための供託金が支払期限迄に入金がされなかったことが原因と言われている。これを受けて、チームはエントリーリストに記載されている他10チームからの再申請への合意を年末までに取り付け、その後の供託金支払いも済ませた結果、「レイト・エントリー」の締切期限前日である2006年1月26日に正式にFIAからエントリーが認められた。

シャシー

新規参戦発表から開幕戦までの時間が限られているため、当初は2005年のB・A・R、もしくは2006年のホンダのシャシーの知的所有権を譲渡してもらうことを目論んでいたが、コンコルド協定上、過去2年に参戦したチームのシャシーは、知的所有権を含めて使用できないということが判明したため、2002年アロウズが使用していたシャシー「A23」をベースに2006年のレギュレーションに適合させた「SA05」を開幕からの数戦の為に製作することとなった。

このシャシーは既にFIAのクラッシュテストに合格し、2月21日からバルセロナでの合同テストで初めて公開されたが、この時には「A23」そのままといってもいい姿であったが、開幕直前にレギュレーション準拠のシャシー構成に変更され、レースを経るごとに空力パーツを改良している。

並行してオリジナル設計の新シャシー「SA06」を製作しており、シーズン途中に投入することが発表されている。その「SA06」は当初、ヨーロッパラウンド開幕の第4戦サンマリノGPから投入と言われていたものの、序盤戦に投入する「SA05」を2006年レギュレーションに適合させる作業を優先したことから、投入予定時期は遅れており、チームとしてはフランスGPでの投入を予定している。

「SA06」は過去のB・A・Rマシンの流れを汲むものになると噂されてきたが、亜久里代表によって「SA05」と同じくアロウズ「A23」ベースであることが明らかとなった。実際、ホンダからの技術援助はエンジンとギアボックス周りに限られており、シャシーそのものに関わらないことが明らかになっている。

チーム名称

チーム名称については、設立当初は「スーパーアグリ・フォーミュラ1」を名乗っていたが、コンコルド協定において「Formula 1」の名称をチーム名に使用する場合には「使用料」が求められるとされていることから、これを回避するために、チームは2006年3月24日に現在の名称への変更並びに新ロゴマークを発表した。

ドライバー


正ドライバー

Takuma Sato smiling.jpg 2006年のドライバーは、当初の経緯から佐藤琢磨の起用は確実視されていたが、もう1人のドライバーについては、純日本チームという観点からARTAのドライバーでもある井出有治の起用が有力視されていたものの、チームからは日本とヨーロッパ、アメリカのドライバーと交渉しているという発表があったこと、およびスポンサー関係を考慮すると2人とも日本人ドライバーにはならないのではないかと危惧されていた。

しかし、結局2月15日に、ドライバーとして佐藤と井出の起用が決定したという正式発表がなされた。なお、2人のドライバーがいずれも日本人というのは史上初のことである。

控えドライバー

また、リザーブ(控え)ドライバーについては、当初は開幕2戦目までの限定契約という形で、2005年にルノーのテストドライバーを務めていたフランス人のフランク・モンタニーが務めた。3戦目以降のリザーブに関しては、ホンダのリザーブ・テストドライバーのアンソニー・デビッドソン、ジェームズ・ロシター、アダム・キャロルなどが候補に挙げられたが、ホンダが彼らのドライブを許可しなかったため、今年はリザーブドライバー無しで戦っていくものと思われていた。

FIA勧告によるドライバー交代

しかし第5戦ヨーロッパGPにおいてサードカーを走行させることが発表され、当初はモンタニーがその役割を務めると発表された。モンタニーはこのレースのみについての契約とされていたことから、今後もこれが継続されるかどうかは不明であったが、その後FIAからチームに対して、井出がF1でのスキルを向上させるために必要なマイルを金曜フリー走行で作るべきとの勧告があり、それに従って、井出を第3ドライバーとし、モンタニーをレースドライバーに起用する決定を下した。ところが、金曜フリー走行についても出走させるべきでないとの勧告が下された。

結局、ヨーロッパGP終了後の5月10日にFIAから井出のスーパーライセンスを剥奪する旨の通告が出されることとなった。チームは井出をテストドライバーとして残し、復帰の道を模索しているが、井出のライセンス再交付には全チームの合意が必要であり、ほとんどのチームが反対の意向を示している現状では厳しく、テストについても新車SA06登場までは予定がないことから走行マイルを稼ぐこともできないため、井出の復帰は困難なものとなっている。

チームからはモンタニーをモナコGPまで正ドライバーとして起用し、その後のドライバー起用に関しては、多くの関係者と議論を重ねた上で決定すると発表されており、新たな日本人ドライバーの起用も予想されていたが、チームはモンタニーとの契約をアメリカGPまで延長している。

モンタニーがレギュラードライバーに起用されたため、ヨーロッパGPからサードドライバーを走らせる予定が狂ってしまっていたが、イギリスGPより山本左近を起用し、ようやくサードカーを走らせることとなった。山本の契約はアメリカGPまでであるが、モンタニーとの契約も今のところアメリカGPまでであることから、フランスGP以降セカンドドライバーとして参戦する可能性もある。

純日本チーム


チーム所在地が東京の「エー・カンパニー」(鈴木亜久里代表の事務所)の住所で届けられており、エンジンはホンダが供給し、タイヤもブリヂストンとの複数年契約が明らかになるなど、純日本チームであることをアピールしている。マシンの車体には「Born in Japan」の文字が書いてある。

2006年2月10日付の日経新聞に「亜久里ジャパン出陣」と銘打った全面広告を掲載、翌日の2月11日には、同日にオープンした表参道ヒルズ近くの特設会場にてF1参戦記念イベントを開催するなどのキャンペーンを実施して、日本国内における認知度向上を図っている。

スポンサー


この様な参戦の経緯・状況・方針から、スポンサーも日本企業を中心に募っていると予想されるが、現在のところ、大口スポンサー獲得は難航している。しかし、小口スポンサーの数は増えている。以下にスポンサー一覧を記述する。

  • ジャンクSPORTS(フジテレビジョンで放送されている番組名。第4戦サンマリノGPにて初めてノーズ中央にロゴが張られた。第8戦イギリスGPではロゴが消滅。)

※現物支給のみで資金援助しない企業も含まれる

また、噂されるスポンサー企業は以下の通り。

本拠地


純日本チームではあるが、F1参戦にあたっての実働部隊の本拠地は旧アロウズのファクトリーである、イギリスのリーフィールド・テクニカル・センターとし、スタッフもマネージング・ディレクターのダニエーレ・オーデットやテクニカル・ディレクターのマーク・プレストンを筆頭に、旧アロウズのメンバーを中心に構成されている。その旧アロウズのファクトリーは、現在あくまで賃貸中であり、将来的にはホンダが所有するブラックレーのファクトリーの隣接地に新ファクトリーを建設し、移転すると言われている。これは、ホンダの隣接地にファクトリーを構えることで、2008年から解禁されると言われている、チーム間でのシャシー売買の効果を最大限に高めることを狙っているとみられている。

2006年シーズン


さまざまな苦難を乗り越え、ついにバーレーンGPより参戦が実現することとなったが、シーズン前のテストが実質3日間しか実施できず、資金が潤沢でないこと、新車SA06投入に力を注いでいるなどの事情から、マシンの戦闘力・信頼性については他チームとの競争レベルには達していないのが現状である。実際に、SA05はアロウズA23という4年落ちのマシンをベースにしているため、タイムも最も近いMF1とさえも秒単位で遅いタイムしか出せず、実質的に「勉強」のためのシーズンとなっている。

【第1戦バーレーンGP】

  • 佐藤琢磨(予選20位、決勝18位)燃料リグ・無線のトラブルで6回のピットストップも見事完走
  • 井出有治(予選21位、決勝リタイア)メカニカルトラブルでリタイア

【第2戦マレーシアGP

  • 佐藤琢磨(予選21位*、決勝14位)スタートで順位を上げ、トロ・ロッソやMF1とバトルを繰り広げる。トロ・ロッソのリウッツィとのバトルではタイヤロックであわや接触の場面もあったが、2戦連続の完走を果たす。
  • 井出有治(予選22位*、決勝リタイア)残り19周、前戦と同じくメカニカルトラブルでリタイア
*予選上位にエンジン交換によるグリッド降格のペナルティが出たため、決勝グリッドは佐藤17位、井出18位に繰り上がった

【第3戦オーストラリアGP

  • 佐藤琢磨(予選21位、決勝12位)スタート直後の混乱をくぐり抜けて順位を上げ、第1スティントではバリチェロホンダ)やクルサードレッドブル)というベテランを抑える走り。3戦連続の完走。レース後、青旗無視で警告処分。
  • 井出有治(予選22位、決勝13位)レースペースは佐藤に及ばないものの、混乱のレースを走りきり、見事に目標の初完走。

【第4戦サンマリノGP】

  • 佐藤琢磨(予選21位、決勝リタイア)44週を走ったものの、残念ながら今季初のリタイア。
  • 井出有治(予選22位、決勝リタイア)1周目にMF1のアルバースと接触、アルバースを横転させる。自身もフロントサスペンションを傷めたためピットでの作業後再出走するも、リアサスペンションのトラブルで計23周でリタイア。

【第5戦ヨーロッパGP】

  • 佐藤琢磨(予選21位、決勝リタイア)スタート直後の1コーナでの他者の接触事故の間隙を縫う形で、瞬間的に12位まで上昇するも、レースペースは上がらず後退し続け、最後は油圧系のトラブルでリタイア。途中、センターウィングが折れるという珍しいトラブルもみられた。
  • フランク・モンタニー(予選22位、決勝リタイア)井出に代わってのF1デビューで、パニス以来2年ぶりにフランス人ドライバーとして出走となったが、予選・決勝ともにトラブルで終了。決勝リタイア時には火を噴いたマシンに自ら消火器で消火しようと試みる場面も見られた。

【第6戦スペインGP】

  • 佐藤琢磨(予選20位、決勝17位)トラブルも無く、オーストラリアGP以来の完走。
  • フランク・モンタニー(予選21位、決勝リタイア)ドライブシャフトトラブルで10周走ってリタイア。2戦連続のリタイア。
*エンジン交換ペナルティ2度のヴィルヌーヴがいたため、決勝グリッドは佐藤19位、モンタニー20位に繰り上がった

【第7戦モナコGP】

  • 佐藤琢磨(予選19位、決勝リタイア)電気系統のトラブルでリタイア。ピットストップし、システム再起動を試みたものの改善せず。
  • フランク・モンタニー(予選20位、決勝16位)スーパーアグリにおいて、そしてF1キャリアとしても初の完走。
*ミハエル・シューマッハは「予選タイムの全てを抹消」されたため、予選順位は決勝グリッドポジションをそのまま記載した。

【第8戦イギリスGP】

  • 佐藤琢磨(予選21位、決勝17位)フリー走行ではマシンを壊し、予選とレースは左近のドライブしたTカーで出走。しかし、粘り強く走り完走。
  • フランク・モンタニー(予選20位、決勝18位)フリー走行では壊すことはなかったものの、コースオフ・スピン多数。しかし、こちらも完走で、オーストラリア以来、今季2度目のダブル完走。
*佐藤琢磨は、Tカーにエンジンを載せ換える時間的余裕がなかったため、エンジン交換となり降格ペナルティ。しかし、ノータイムのヤルノ・トゥルーリもエンジンを換装したため、21番手スタートとなった。

変遷表


(2006年 第7戦終了時点)
エントリー名 車体型番 タイヤ エンジン オイル ドライバー ランキング 優勝数
2006年 スーパーアグリF1チーム SA05 ブリヂストン ホンダRA806E ENEOS 佐藤琢磨
フランク・モンタニー
井出有治
11位 (0 pts) 0

関連項目


外部リンク


F1コンストラクター

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