ストリップ劇場(ストリップげきじょう)は、一般的に舞台で女性(ダンサー)が音楽に合わせ服を脱いでいく様を鑑賞する劇場で、風俗店の一種である。都市から地方の温泉場まで全国に数多く存在し、古くからの大衆の性的娯楽の一つである。
1950-60年代、フランス座や東洋劇場など台東区浅草の劇場では幕間にコントが行われることが多く、渥美清や萩本欽一、ビートたけしなど、昭和を代表する喜劇人を数多く輩出する舞台にもなっていた。この頃はバタフライといわれる一種の前張りを股間に付けていた。
1970年代頃から、関西地区を中心に全裸になって(全スト)女性器をあらわに見せる特出しショーの一条さゆりらが人気を博した。一条は摘発されたが、次第に全ストが一般的になった。また、舞台で出演者のカップルが本番を行う「白黒ショー」、お客が踊り子と舞台上で性交をする「マナ板ショー」(後出)が全盛になった。ショーの内容は更にエスカレートし、ポニーと踊り子による「獣姦ショー」も登場したが、風営法の施行後は警察による取締り強化のためストリップ劇場が激減した。
1980年代には、本番は行わず「オナニーショー」で有名になった清水ひとみら若くて容姿のよいダンサーが登場したり、最近では観客の人気を集めるためアダルトビデオに出演していた女優が舞台に上がることもあるが、全盛期と比べると見る影もない。
近年では、他の性的娯楽の選択肢が増えたこともあり、入場者数が減少し、経営が成り立たず閉鎖を余儀なくされる劇場も多い。収益を上げるために入場料を高額に設定することになり、それゆえに更に客足が遠のくという悪循環にある。ストリップ劇場の今後であるが、閉鎖されていく劇場がある一方で一定程度の客数を確保している劇場も都市部を中心として複数あり縮小傾向でありつつもあと数年で消滅ということは考えにくいといえる。
舞台を囲むように、多くの座席があり、音楽に合わせ女性が服を脱いでいく様を鑑賞する。大都市におけるストリップ劇場は昔のものとは異なり、舞台の構造や照明、音楽、スモークの演出がすばらしく見る者をひきつける。ほとんどの劇場で多人数の女性が順番に出演する。出演者の出演順と、演目、持ち時間を決めたものを香盤(こうばん)と呼ぶ。大都市から中都市の劇場では6名~8名の踊り子が出演している。1日の公演回数は、香盤が一巡するのを1公演として、通常4回公演となっているのが一般的であるが、後述の理由により3回ないしは2回公演となる場合がある。 一方、温泉場など地方のひなびたストリップ小屋などは40代の女性が一人で出演するところもある。
多くの劇場では、踊り子が踊った後にポラロイドショーと呼ばれる有料の写真撮影会が行なわれている。これは1枚につき500円~1000円の料金で、観客が指定したポーズで踊り子の衣装姿またはヌードを劇場が用意したインスタントカメラで撮影できるというサービスである。観客から踊り子へのプレゼントや差し入れなども大半がこの時に行われる。
また、手拍子と並んで代表的なものとして、タンバリン及びリボンを用いた応援がある。 タンバリンによる応援は、手拍子の代わりにタンバリンを打ち鳴らすものであり、とりわけ熟練したタンバリン使いにより発せられる軽快なリズムは踊り子のステージに華を添えるものである。
リボンによる応援は、踊り子がダンス中にいわゆる決めのポーズを行ったときなどに、5m~10m程度の長さ(劇場の広さ・リボン使いのポジショニングなどにより異なる)のリボンを、結婚式などで投げられる紙テープと同じように舞台に向かって投げ、リボンが空中で伸びきったところで瞬時に巻き上げるという応援方法であるが、紙テープと異なり何度でも再利用できる上にゴミにならないという利点がある。何本ものリボンがステージ上を舞い、そして瞬時に引き戻される様は大変美しく、タンバリンと同様に踊り子のステージをより華々しくさせる。
その反面、あまり熟達しないうちにリボンを投げた場合、あるいは相当熟練したリボン使いでも僅かな手元の狂いによって、リボンを踊り子や観客に当ててしまう危険性もはらんでおり、またタンバリンによる応援もわずかなリズムの狂い、叩く力の入れすぎなどによって観客や踊り子にとっては単なる騒音となってしまうという危険性もある。また劇場によっては近隣に住宅地があるため、近隣住民に対する騒音問題が発生するおそれもある。
リボンやタンバリンによる応援は大部分の劇場で容認されているが、年配客を中心に静かにじっくりステージを見たいという要望、あるいは前述した近隣への騒音対策などの理由により、劇場によっては制限を設けている場合もある。(タンバリン・リボンの人数制限、土日祝日のみ可、午後6時までは可など)また、大阪東洋ショーのように、タンバリン及びリボンを用いた応援は全面禁止としている劇場もある。
その他、最近では踊り子オリジナルのデザインが刺繍された半被(大半は濃厚な応援客が業者に委託して作製し、踊り子に贈与する。)を借りて羽織っての応援、気合を入れて応援する意味を込めたねじりはちまきやタスキを着用した応援方法も淘汰されている。
かつては比較的多く見られたが、公然わいせつであり、警察からの摘発を受け、北関東などストリップが盛んな地域を除き最近では少なくなってきた。 また別室を設け、舞台に登る外国人ダンサーと本番行為ができるようにしている劇場もある。こちらはナマ板プレーとは異なり、3000~5000円程度の別途料金が取られる。
また、ストリップ劇場の経営は、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)に定める店舗型性風俗特殊営業のひとつに該当する。風適法第2条第1項の6の三が、「専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法 (昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項 に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業」を定義のひとつとしているためである。
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