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ステロイドは、シクロペンタヒドロフェナントレン誘導体有機化合物の総称。共通して、ステロイド核(シクロペンタノ-ペルヒドロフェナントレン核)と呼ばれる、3つのイス型六員環と1つの五員環がつながった構造を持っている。脂溶性の物質で、水には不溶。

ほとんどすべての生物が生体内でステロイドを合成し、ホルモンビタミンとともに重要な構成物質として利用している。細胞膜の構成に重要な脂質であるコレステロールなどが代表的なステロイドである。また、性ホルモンやその他の副腎皮質ホルモン、昆虫の変態ホルモンなど、多様なホルモン作用をもつステロイドも多く、これらはステロイドホルモンと呼ばれる(後述)。

炎症性疾患の治療のために用いられる「ステロイド」は、ステロイドホルモンを配合した薬品(ステロイド剤)のことであり、多くの場合は糖質コルチコイドおよびその改変型が用いられる。また、スポーツなどでその投与がドーピング問題として取り上げられることがある「ステロイド」とは、ステロイドホルモンと同様あるいはそれより強力なホルモン作用を持つ人工的に合成されたステロイドであり、鉱質コルチコイドや男性ホルモンが用いられる。

構造


ステロイドは側鎖などによって、コレスタンコランプレグナンアンドロスタンエストランの5つに分類される。また、六員環に結合する原子などの方向によってa配座/e配座、α配座/β配座といった形式が存在する。

image:Cholestane.PNG|コレスタン image:Cholane.PNG|コラン image:Pregnane.PNG|プレグナン image:Androstane.PNG|アンドロスタン image:Estrane.PNG|エストラン

ステロイドの生合成


高等脊椎動物では、肝臓の肝細胞の滑面小胞体などで酢酸からアセチルCoAなどを経てメバロン酸経路に入り、テルペノイドの一つ、スクアレンとなる。スクアレン二重結合同士が重合することによってラノステロールができ、そこからコレステロールが合成される。ステロイドホルモンは、すべてホルモン分泌器官に運ばれたコレステロールからつくられる。

ステロイドホルモン


ステロイドホルモンは、その機能から、性ホルモン、糖質コルチコイド鉱質コルチコイドなどに分類される(性ホルモンはタンパク同化ホルモンも含む)が、多義的な作用を持つことがほとんどである。すなわち、糖質コルチコイドであっても鉱質コルチコイドのような類代謝作用を弱いながらも持っており、機能による分類は一応の目安に過ぎない。また、ステロイドホルモンはみな、生体のエネルギー利用を助ける方向に作用し、血糖値の上昇、水分の保持、気分の高揚などの作用を持つ。このため、副腎皮質の機能不全や、副腎皮質を制御する下垂体の機能不全でステロイドホルモンが不足すると、全身の倦怠感などが出現する。

ステロイドホルモンは大部分が副腎皮質から分泌されるが、一部の性ホルモンは、精巣卵巣から分泌される。ステロイドホルモンは、標的細胞の細胞核レセプター蛋白質と結合し、遺伝子発現に直接影響を及ぼすことで作用する。

筋肉増強剤としてのステロイド


スポーツ選手が自分達の競技パフォーマンス向上のため、特に筋力を向上させることを目的にステロイドを使用する事は意外に古くから行われていた。 競技の公平性や選手の健康のために、様々な検査方法でドーピングの蔓延を防ごうと努力され、オリンピックをはじめとする大会では各種の厳重な検査を実施しているが、規制対象外の薬品を新たな増強剤として採用したり、増強剤の使用痕跡が出ないような薬品が開発されたりと、あの手この手で検査をすり抜けようと言うものが後を絶たない。 中には国家が中心になってドーピングを行っている場合もあり、近年では検査をごまかす能力に長けた大国のドーピング違反者が減り、逆にドーピング暦の浅い小国が検査に引っかかる機会が多いという現象も起きている。 また米国では、有名なメジャーリーガーにステロイド使用の疑惑が持たれたり、また『見栄えを良くしたい』という理由でステロイドを使う高校生が出て社会問題となったため、ステロイドの販売を法律で規制している。

代表的な生体内ステロイド


膜脂質の構成成分

ホルモン作用を持つもの

性ホルモン
性器の分化、性的な特徴の発現に関わる物質

糖質コルチコイド
血糖値を保つ。

鉱質コルチコイド
ナトリウムをはじめとした塩類の再吸収を制御し、血圧を維持する。

応用


ステロイドホルモンは治療薬としても用いられる。

ステロイドホルモンは、リンパ球の働きを抑え、炎症を強力に抑制する。そのためアレルギー喘息をはじめ、膠原病多発性硬化症など自己免疫疾患に対する治療薬として利用されるほか、悪性リンパ腫に対して著効する。

この場合には、抗炎症活性を高め、かつ本来の血糖値制御などのホルモン活性を低める目的で修飾基を改変されたものが用いられることが多い。(プレドニゾロンデキサメタゾンなど)

糖質コルチコイド

副作用
諸注意
外部からのステロイドホルモン投与で副腎皮質ステロイドホルモン分泌能が抑制され、投与中止後にステロイドホルモン不足による諸症状が見られることがある。

外部リンク


  • ステロイド一覧表 個人が運営するHP。ステロイドの強度別に、ステロイドの塗り薬の一覧表がある。今塗っている薬にステロイドが含まれているかどうかを調べるのに便利である。

化学物質

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