サイトカインとは、細胞から分泌されるタンパク質で、特定の細胞に情報伝達をするものをいう。多くの種類があるが特に免疫、炎症に関係したものが多い。また細胞の増殖、分化、細胞死、あるいは創傷治癒などに関係するものがある。
ホルモンと似ているが、ホルモンは分泌する臓器があり、比較的低分子のペプチドが多い(しかし、サイトカインとホルモンは、はっきりとした区別があるものではなく、エリスロポエチンやレプチンなど両方に分類されることがある)。
また、リンパ球に由来するサイトカインを、リンフォカインということが多い。
一部は医薬品として用いられている。
サイトカインは細胞表面の膜上にある受容体(それ自体がチロシンキナーゼまたはチロシンキナーゼと共役するものが多い)に結合して働き、それそれに特有の細胞内シグナル伝達経路の引き金を引き、結果的には細胞に生化学的あるいは形態的な変化をもたらす。
またサイトカインは他のサイトカインの発現を調節する働きをもち、連鎖的反応(サイトカインカスケード)を起こすことが多い。このカスケードに含まれるサイトカインとそれを産生する細胞は相互作用して複雑なサイトカインネットワークを作る。たとえば炎症応答では白血球がサイトカインを放出しそれがリンパ球を誘引して血管壁を透過させ炎症部位に誘導する。またサイトカインの遊離により、創傷治癒カスケードの引き金が引かれる。
サイトカインはまた脳卒中における血液の再還流による組織へのダメージにも関与する。さらに臨床的にはサイトカインの精神症状への影響(抑鬱)も指摘されている。
サイトカインの過剰産生(サイトカイン・ストームと呼ばれる)は致死的であり、スペイン風邪やトリインフルエンザによる死亡原因と考えられている。この場合サイトカインは免疫系による感染症への防御反応として産生されるのだが、それが過剰なレベルになると気道閉塞や多臓器不全を引き起こす(アレルギー反応と似ている)。これらの疾患では免疫系の活発な反応がサイトカインの過剰産生につながるため、若くて健康な人がかえって罹患しやすいと考えられる。
1969年、ダドリー・デュモンド(Dudley DuMonde)が、これらの分子が、いずれも広義の白血球(リンパ球、単球、マクロファージを含む)によって産生されることに着目し、「リンフォカイン」(lymphokine:白血球を意味する接頭語 lympho- とギリシア語で「動く」を意味する kinein からの造語)と総称することを提案した。その後、白血球の種類によって、産生する分子に違いが見られることから、特にリンパ球系の細胞が産生するものは「リンフォカイン」、単球系(単球とマクロファージ)が産生するものは「モノカイン」(monokine:mono-は単球を意味するmonocytesに由来)と総称されるようになった。
1974年、スタンリー・コーエンらが腎臓培養細胞からMIF様因子を見出し、これまで白血球のみが作ると思われていたリンフォカインが、それ以外のさまざまな種類の細胞によっても産生されていることを発見した。このため、コーエンはリンフォカインに代えて「サイトカイン」(cytokine: cyto-は「細胞」を意味する接頭語)という名称を提案し、1980年頃までにはこの名称が受け入れられ、広く使われるようになった。
Zytokin | Cytokine | Citocina | Cytokine | ציטוקין | 사이토카인 | Cytokine | Cytokiny | Citocina | Cytokine | Cytokiner | Sitokin | Cytokine