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ケンミジンコというのは、プランクトンとして生活する、微小な甲殻類の群である。

概要


ケンミジンコというのは、節足動物門甲殻綱カイアシ亜綱に属する動物のうちで、自由な浮遊生活をおくっているものに対する総称である。分類上は多くの仲間を含み、分類学上の単位ではない。ただし、外見はおおよそ似た姿である。コペポーダというのは、カイアシ亜綱のことであるが、ケンミジンコのことをそういう場合も多い。いわゆるミジンコとは、大きさやその生活では似たものであるが、形態は大きく異なる。

この名で呼ばれるものの大部分はプランクトン生活をしている。一部に底生のもの、間隙性のものもあるが、それらはソコミジンコと呼ばれることも多い。また、生活史の一部で寄生生活を送るものもある。淡水にも海水にも多くの種があるが、海水の方が多様である。地下水生の種も知られる。

形態


たいていは前方が太くて後方に向けてすぼまった、いわば野球のバットやスリコギのような形をしている。背面は甲羅に覆われ、覆面には付属肢が並んでいる。上から見ると、付属肢の多くは短くて体の下に隠れているので、前端からは一対の長い触角、後方には一対の尾肢、場合によっては腹部に一個又は一対の卵嚢が目立つ。一対の卵嚢を持つ場合、一個の卵嚢の大きさが体に近いくらいあるので、上から見ると、三菱のマークに似て見える。

体は前半の頭胸部と後半の尾部に分かれている。 頭胸部はまとまった形をしているが、後半の胸部は節に分かれている。前端からは一対の触角が伸びるが、これは第一触角である。第一触角はヒゲナガケンミジンコ類では長く伸び、体長と同じくらいとなる。種によっては触角から長い毛が伸びる。また、ヒゲナガケンミジンコ類では雄の右側触角が変形して雌を保持する働きをする把握器となっている。他の類でも、この触角で雌を保持するために雌雄で形が異なる。第二触角はごく短く、当部の下に折り曲げられており、二肢型であるか、外肢がなくなっている。触角より後には大顎・小顎二対・顎脚がやや間をおいて並ぶ。第一触角の間には中央に一個の眼がある。往々にして赤く光ってよく目立つ。なお、代表的な属のひとつ、キクロープス(Cyclops)はギリシャ神話の一つ目巨人の名である。

胸部には四対の脚が並ぶが、いずれも胴体の下に隠れている。脚はいずれも二肢型で、それぞれ三節からなる。遊泳用に用いられ、遊泳用の毛が多数はえている。左右同時に前後に動かす。それに続く五対目の付属肢は交尾肢となっており、雄のそれは複雑な構造になり、雌の生殖孔付近へ精包をつける役割を果たす。雌のそれは退化的である。

腹部は頭胸部よりも幅が狭くなっており、これらの間はややくびれて、曲げられるようになっている。体節は少なく、鰓もない。最後の尾節からは一対の尾又が出て、そこから数本の長い毛が伸びている。

生殖孔は腹部の第一節に開く。雌はその入り口に一個、又は一対の卵嚢をぶら下げて保持する。

卵から孵化した幼生はノープリウスで、次第に体節を増やして成長する。ノープリウス期に六期、その後コペポディド期に五期があり、その後に成体となる。都合11回の脱皮によって成熟する。

分類


甲殻綱カイアシ亜綱には六つの目があるが、ケンミジンコに類するものはヒゲナガケンミジンコ目・ケンミジンコ目とソコミジンコ目のものである。種類は多いが、外見はよく似たものが多い。分類には多くの場合、胸部第五脚を取り出す必要があり、簡単な解剖は必須である。

  • ヒゲナガケンミジンコ目(カラヌス目)
頭胸部は腹部より幅広い。第五胸脚は前半部にある。第一触角の長いものが多い。雄の第一触角右側は雌を保持するための、把握器となっており、たいていは中ほどが幅広くなり、突起がある。卵嚢は一個で、腹部基部の下面にぶら下がる。主として海洋に分布、魚類やヒゲクジラの餌として重要な種を含む。淡水産もある。 Calanus:海産の代表的な属。
Diaptomus:淡水性、水に普通。

  • ケンミジンコ目(キクロープス目)
頭胸部は腹部より幅広い。第五胸脚は腹部の側についている。触角は雌雄で形が異なるが左右対称。卵嚢は二対あり、腹部基部の左右に突き出る。淡水産、海産、一部に寄生性の種がある。 Cyclops:淡水産。

  • ツツガタミジンコ目(ソコミジンコ目、ハルパクチクス目)
体は筒形で前体部と腹部の間はあまりくびれない。触角は短め。卵嚢は一個、腹部下面につく。海産、淡水産、プランクトンもあるが、ほとんどは底面や海藻の表面などをはい回る。一部に間隙性の種や、土壌動物として陸上から発見されるものがある。 Harpacticus:海産、汽水産など。海藻表面を這う。
Tigriopus:水温、塩分濃度の変化に強く、高潮帯潮溜まりに出現する。

甲殻類

 

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