クッシング症候群(Cushing症候群、くっしんぐしょうこうぐん)は、慢性の糖質コルチコイド過剰による症候群。尚、下垂体腺腫が原因で起こるクッシング症候群を特別にクッシング病(Cushing病)と呼ぶ。
歴史
アメリカの脳神経外科医
ハーヴェイ・ウィリアムス・クッシングによって「Cushing病」が初めて報告された。
疫学
原因は
副腎腺腫が殆どであるが、他の腫瘍から来るものもある。女性に多い。
分類
原因によって
- 下垂体腺腫(クッシング病)
- 副腎腺腫
- 副腎癌
- 異所性ACTH産生腫瘍
- 等に分類される。
病態
種々の原因により
糖質コルチコイドが増加していることによって、引き起こされる。
原因
異所性ACTH産生腫瘍の原因には
肺腫瘍、
膵腫瘍、等が含まれる。
臨床像
主症状は
検査
- 尿中、血中コルチゾールおよびACTHの増加→下垂体腫瘍・肺・膵腫
- 尿中、血中コルチゾール増加、ACTHの減少→副腎腫瘍
{| align="center" border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
| 血中糖質コルチコイド(μg/dL) | 判定 | 理由
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| 5以上~ | クッシング症候群 | フィードバック経路のどこかに異常がある
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| 3以上~5未満 | プレクリニカルクッシング症候群(前臨床的クッシング症候群) | フィードバック経路のどこかに異常があるかもしれない
|
| ~3未満 | 正常(単純性肥満) | 正常では抑制される
|
- 標準法 : リドル原法
- デキサメサゾン抑制試験標準法は、糖質コルチコイドのアゴニストであるデキサメサゾンを投与して副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して尿中17-OHCS(にょうちゅうじゅうななおーはーしーえす)を測定する検査。24時間蓄尿をするので入院を要する。
- 目的
- 迅速法で判明したクッシング症候群の病型分類。
- 原理
- 正常では糖質コルチコイドは副腎皮質刺激ホルモンをネガティブフィードバックしている。従ってデキサメサゾンの投与によって糖質コルチコイドが過剰だと誤解した脳下垂体系は、正常ならば副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンや副腎皮質刺激ホルモンの分泌を抑制して、糖質コルチコイドの合成は抑制されて、その代謝産物である尿中17-OHCSも減る。
- 方法
- 基準値
- 入院1日目に何も投与せずに24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定して、基準値とする。
- 2mg投与
- 入院第2日目と第3日目に0.5mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(2mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。ここで低下したら判定によりクッシング病と分かるので検査終了。
- 8mg投与
- 2mgで低下しない場合はさらに、入院第4日目と第5日目に2mgのデキサメサゾンを6時間毎に1錠、一日4錠(8mg/日、計8錠)経口投与して、24時間蓄尿尿中17-OHCSを測定する。
- 判定
- 尿中17-OHCSが低下するのにどれだけのデキサメサゾンを要したかで行う。
{| align="center" border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
| デキサメサゾン(mg/日) | 17-OHCS低下の意味 | 判定 | 理由
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| 2 | 正常量で低下した | 正常(単純性肥満) | 正常ならば反応するはず
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| 8 | 大量投与で低下した | クッシング病 | 下垂体腺腫は多少反応性が保たれている
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| (∞) | 低下せず | 副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 | 副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻している
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{| align="center" border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
| 尿中17-OHCS | 判定 | 理由
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| 増加 | クッシング病(又は正常) | 下垂体腺腫は多少反応性が保たれている
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| 増加せず | 副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 | 副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。
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特異度
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に劣る。この為同一目的・意義である副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験に取って代わられつつある。
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン試験(ふくじんひしつしげきほるもんほうしゅつほるもんしけん)は、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを投与して血中副腎皮質刺激ホルモン及び血中糖質コルチコイドを測定する試験。
- 目的
- デキサメサゾン抑制試験8gm投与に加え、副腎腫瘍と異所性ACTH産生腫瘍の鑑別を行うこと。
- 意義
- 副腎皮質刺激ホルモン刺激試験を迅速に行える。
- 原理
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが副腎皮質刺激ホルモンを刺激し、これが糖質コルチコイド産成を刺激する事。
- 方法
- 副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンを静脈注射して、30分後と60分後の血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドを測定する。
- 判定
- 血中の副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドの多寡で行う。
{| align="center" border="1" cellpadding="3" cellspacing="0" style="margin:auto; text-align:left;"
| 検査値 | 判定 | 理由
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| 過剰反応 | クッシング病 | 下垂体腺腫は反応性が保たれている
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| 反応せず | 副腎腺腫、副腎癌、異所性ACTH産生腫瘍 | 副腎腺腫や腫瘍は反応性が破綻していて、フィードバックが強くかかっている。
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特異度
- メチラポン試験に勝る。
治療
腫瘍を除去するのを第一とするので、手術・放射線治療・薬物による腫瘍除去を行う。
増殖性疾患 | 代謝内分泌疾患
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