カルチノイド(carcinoid)とは、神経内分泌細胞への分化を示す腫瘍の総称である。消化管粘膜、気管支粘膜など粘膜内に神経内分泌細胞が常在している部位に発生することが多いが、肝臓、腎臓などの実質臓器や、乳腺、前立腺など腺細胞が分布する臓器にもまれに発生する。
カルチノイド腫瘍は英語ではcarcinoidまたはcarcinoid tumorと表記され、まさに「癌もどき」(=carcinoma-like)な病理組織像や生物学的振る舞い(浸潤や転移能)を示すことがある。従って良性腫瘍とは言えず、境界悪性腫瘍(borderline malignancy)または転移が明らかな例では悪性腫瘍と同等な扱いとなる。Colonic carcinoid (2) Endoscopic resection.jpg
診断のためには生検や切除材料の病理学的検査が必須で、腫瘍を構成する細胞の嗜銀性や好銀性を染色で確認したり、神経内分泌顆粒の構成分子であるクロモグラニンAやシナプトフィジンを免疫組織化学的に染色し陽性像を確認することで診断が確定する。