| オニヤンマ | ||||||||||||||||
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| 分類 | ||||||||||||||||
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| 学名 | ||||||||||||||||
| Anotogaster sieboldii | ||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||
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オニヤンマ(鬼蜻蜒・学名 Anotogaster sieboldii )とは、トンボ目・オニヤンマ科に分類されるトンボ。日本に生息するトンボ類の中では最大の種類である。
複眼は鮮やかな緑色で、左右の複眼は頭の中央でわずかに接している。体色は黒だが、胸の前に「ハ」の字模様、胸の側面に2本の斜め帯、腹の節ごとに1本の細い横しまと、体の各所に黄色の模様が入る。
北海道から種子島、屋久島まで、日本の広い範囲に分布する。成虫がよく見られるのは、水のきれいな川辺や森林のはずれなど、日陰の多い涼しい場所だが、生息域はわりと広く、平地の湿地から山間部の渓流まで見られる。また、これらに隣接する都市部でも見られ、不意にあらわれるため、人々を驚かせることもある。
成虫は6月-9月頃に発生し、日中に飛び回る。特にオスは縄張りを持ち、縄張り内を活発にパトロールする性質があるので、林道や小川の上空などを往復する姿がよく目につく。都市部では車道や歩道に沿って飛行する姿を見かける。草木に止まって休む時は、ふつうのトンボのように腹を水平方向に持ち上げて止まることはなく、脚の爪を草木に引っかけ、大きな体をぶらさげる体勢をとる。
トンボの仲間だけに食性は肉食性で、ガ、ハエ、アブ、ハチなどを空中で捕食する。敵は鳥類などだが、自分より小さいシオヤアブに捕食されることもある。
交尾の終わったメスはオスから離れ、単独で水のきれいな小川や湧き水の流れ込む水たまりなどに向かう。巨大な体に似合わず、産卵が行われ、幼虫が育つ水域は深くて大きな河川や湖沼ではなく、こうした小規模で緩やかに水が流れ、あるいは入れ替わる小水域である。メスは適度な産卵場所を見つけると、体を立てて飛びながら、ストンと体を落下させるようにして水際ぎりぎりの浅い水底の柔らかい泥や砂の中に産卵弁を腹の先ごと何度も突き立てる動作を行う。泥に産卵弁が突き立った瞬間に、泥の中に産卵する。
卵は1ヶ月ほどかかってふ化する。ふ化した幼虫(ヤゴ)は半透明の白色で、成虫のような翅がなく、腹部も短い。オニヤンマのヤゴは、ヤンマ類とは異なり、途中でくびれのない形で、足も太短く、全身に細かい毛が生えて、泥に同化している。幼虫は水底の砂泥にもぐり、目だけを出して獲物を待ち伏せる。獲物が上を通りかかると、鋏がついた下唇を伸ばしてすばやく捕獲し、大あごでかじって食べる。最初はミジンコやアカムシ、ボウフラなどを捕食するが、やがてオタマジャクシや小魚、他のヤゴなどを捕食するようになり、えさが少ないと共食いもして、強いものが大きくなる。
オニヤンマが成虫になるまでの期間は3年とも5年ともいわれ、その間に10回ほどの脱皮をおこなう。脱皮を繰り返し成長した幼虫は、複眼が斜め上に飛び出し、下唇の鋏部分がマスクのように口をおおう独特の風貌となる。終齢幼虫は体長が5cmほどになり、背にうろこ状の翅ができる。
よく晴れた夏の夜、泥をかぶった幼虫は羽化をするために水面上の石や杭などに姿を現す。体が滑り落ちないように爪を立てたあとに、背が割れて薄緑色の成虫が現れる。成虫は頭部と胸部を抜き、腹だけで逆さ吊り状態までいったあと、起き上がって腹部を抜く。白いうろこ状をし、アコーディオン状、ないし細かいちりめん状に縮んだ翅に体液を送り込んで伸ばし、さらに腹部を伸ばす。
朝になる頃には体が固まって黒と黄色の模様ができ、翅も固まって透明になる。抜け殻を残して飛び立った成虫は小昆虫を捕食して体力を充実させて卵巣などを成熟させ、1-2ヶ月の間に子孫を残して死ぬ。
なお、コオニヤンマ Sieboldius albardae は名前に「オニヤンマ」とあるが、オニヤンマ科ではなくサナエトンボ科に分類される。頭が小さく、成虫の複眼が頭部の左右に離れ、接しない。また、幼虫は体が上から押しつぶされたように平たくて円盤状をしており、渓流の石につかまって生活する。