| オナモミ | ||||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 分類 | ||||||||||||||
| 界: | 植物界 Plantae |
| 門: | 被子植物門 Magnoliophyta |
| 綱: | 双子葉植物綱 Magnoliopsida |
| 目: | キク目 Asterales |
| 科: | キク科 Asteraceae |
| 属: | オナモミ属 Xanthium |
| 種: | オナモミ Xanthium strumarium |
オナモミは、大きくても人の背丈程度の1年草である。葉は広くて大きく、丸っぽい三角形に近く、周囲は不揃いなギザギザ(鋸歯)がある。茎はやや茶色っぽくなり、堅い。全体にざらざらしている。夏になると花を咲かせる。花は雄花と雌花がある。雄花は枝の先の方につき、白っぽいふさふさを束ねたような感じ。雌花は緑色の塊っぽいものの先端にちらりと顔を出すのみ。
果実は楕円形で、たくさんの棘をもっている。その姿は、ちょうど魚類のハリセンボンをふぐ提灯にしたものとよく似ている。先端部には特に太い棘が2本ある。もともと、この2本の棘の間に雌花があったものである。
オナモミの果実は、キク科の中ではちょっと特殊なものである。キク科の植物は、頭状花序と言って、多数の花が集まって1つの花の形を作る。タンポポの花びらに見えるのは、実はすべて個々の花で、ばらしてみれば、それぞれの根元に種子(本当は果実)の元がついているのが見える。つまり、一般のキク科植物は、花茎の先端が平たくなっていて、その上に小さな花が並び、果実が熟すると、花茎の先端の台の上に果実が並んだ形になる。ところが、オナモミでは果実が露出せず、タンポポのがく(総包)に当たる部分が肥大して、果実を包んでしまう。しかも、それがひとつながりの固い殻になり、その表面に棘が突き出しているわけである。その殻を切り開けば、中に真の果実が2つ入っているのがわかる。
見掛け上の果実は最初は緑、熟すると灰褐色となり、棘も堅くなる。その前後に根本からはずれる。この棘は防御のためというよりは、動物の毛にからみついて運んでもらうためのものと考えられる。事実、オナモミは強力な”ひっつき虫”であり、その藪を通れば、たいていどんな服でもからみついてくる。特に毛糸などには何重にもからみついてしまう。皮膚に当たっても結構痛い。ただし、他のひっつき虫に比べて大きめなので、はずすのはそれほど難しくない。しかも、大きさと重さが手頃なので、拾って人にぶつけるのに好適で、子供のよいおもちゃになる。ただし、服にぶつけている間はよいが、ロングヘアーの女の子の髪に絡むと、結構やっかいなことになりがちなので、無茶はしないほうがよい。
オナモミはアジア大陸原産の帰化植物である。侵入したのはかなり古いものと考えられている。ただし、現在ではオナモミを見ることは少なくなっている。多くの地域では近縁種のオオオナモミ(X. canadense)やイガオナモミ(X. italicum)などの新しい帰化種に取って代わられているからである。また、それら種のの繁殖にも波があるようで、オナモミ類全体をさほど見かけない地域もあるようである。帰化植物には侵入して大繁殖しても、次第に廃れたり、種が入れ替わったりといった移ろいが見られるが、その一つの例である。