| オサムシ亜科 Carabinae | ||||||||||||||||
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| 分類 | ||||||||||||||||
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| 下位分類 | ||||||||||||||||
| (本文参照) | ||||||||||||||||
| 英名 | ||||||||||||||||
| Ground beetle |
夜行性とされるが、昼に活動しているのを見ることも多い。成虫の寿命は長く、数年に及び、摂食によって栄養補給を繰り返すことで卵巣内の卵細胞を逐次発達させ、特定の季節に大型の卵を少数ずつ産卵する。マイマイカブリに至っては、卵の長径は10mmにも達し、クマバチと並び全昆虫類屈指の大きさである。
雌雄は外見からは、雄の前脚のふ節が扁平に拡大して下面に毛が密生していることで識別できる。これは交尾に際して雌の背中にしがみつくことに適応した形態だが、マイマイカブリの一部の亜種など、ごく一部にこの形態を持たないものも存在する。
なお、後述のように一部の例外を除いてオサムシは飛翔能力を欠いているが、中胸より後の背面を覆う前翅がなで肩なのは、飛翔筋を退化させて飛翔力を失った甲虫の多くに共通した形態であり、例外的に飛翔力に富んだカタビロオサムシ類の名称は、オサムシとしては異例のいかり肩の形態をよく捉えている。
雑食性の傾向のあるオサムシの成虫も、単なる生存のためではなく繁殖に際して、特に卵巣発達のためには幼虫と同じ特定の餌の捕食を必要とすることが多い。例えばカタツムリ食のマイマイカブリは傷つけたガの幼虫や刺身などでも飼育できるが、カタツムリを餌として与えないと十分な産卵は望めない。
なお、カタツムリ食のオサムシ類は成虫の形態に食性に応じた適応が顕著に見られることが多い。この適応には頭部と胸部が細長くなって獲物の殻の入り口から深くまで首を突っ込み、奥に引っ込んだ肉や内臓を食べやすくしたタイプ(セダカオサムシ族やマイマイカブリなど)と、大顎とこれを動かす筋肉を収めた頭部が巨大化して獲物の殻を噛み砕きながら肉や内臓を摂食するタイプ(マイマイカブリの佐渡島産亜種であるサドマイマイカブリなど)に二極分化している傾向がある。なお、世界的に金属光沢に富んだ美麗種にはカタツムリ食の種が多い傾向があるが、その理由は定かではない。日本産のオサムシでも、北海道に生息するオシマルリオサムシやオオルリオサムシが、こうしたカタツムリ食の美麗種である。
食性に応じた形態の適応は幼虫にも見られ、特にミミズ食の種の幼虫は、ミミズの胴体を抱え込むように食いつくことができる、円弧状に湾曲した長大な大顎を持つことが特徴的であり、これを大きく広げてフトミミズ科のミミズを待ち受け、しばしばオサムシの幼虫自身よりも長大な獲物に食いついて、毒で麻痺して動かなくなるまで跳ね飛ばされないようにしている摂食方法に対応している。このようにオサムシの食性の場合、大概はミミズ食、昆虫の幼虫食、カタツムリ食の3タイプに大別されるが、ゴミムシ類と呼ばれるものの多いオサムシ科全体や、さらには陸生オサムシ類全体を見渡すと、さらに多様な食性の分類群や種が知られている。
カタツムリ食のオサムシ類の一部、例えばマイマイカブリに至っては幼虫期は2齢までに減少し、しばしば1齢期に小型のカタツムリを1個体、2齢期に大型のカタツムリを1個体、合計大小2個体のカタツムリを捕食するだけで蛹となる。そのため、羽化して活動を開始したばかりのオサムシの成虫は体は十分大きいものの体内はスカスカな状態であり、卵巣なども未発達な状態にある。そのため、繁殖には成虫期の摂食による栄養補給が大きな意味を持つ。
これはオサムシ科と同様に幼虫がカタツムリ食、ミミズ食、ヤスデ食といったように、地表性の狭食性の捕食者として進化してきたホタル科や、これに近縁の科の甲虫が、しばしば1年以上、ときには数年にわたる長い幼虫期と5齢程度の多くの齢期を持ち、成虫はほとんど摂食をせずに羽化した段階で十分充実した体と発達した生殖巣を持ち、幼虫期の摂食による栄養蓄積のみで産卵することと好対照を成す。
アオカタビロオサムシ.jpg カタビロオサムシ亜族のオサムシは多くのオサムシ類と異なり、地表のみでなく樹上をも活動範囲としてチョウやガの幼虫を専門に捕食するのみならず、飛翔によって広域移動をすることが知られる。
例えばクロカタビロオサムシは、ブナアオシャチホコやマイマイガなど周期的に大発生するガの幼虫を主たる餌としており、これらの大発生と減少に伴って激しく増減することが知られるが、獲物のブナアオシャチホコ幼虫を食い尽くした森林から昼間に大挙して飛び立ち、別の森林に群を成して移動することが目撃されている。また人間に開発された農村や都市近郊のような環境に適応し、畑などでヨトウムシなどを捕食しているエゾカタビロオサムシが、夜間郊外の住宅地の街灯に飛来しているのを見ることも稀ではない。また、カタビロオサムシ類は他のオサムシ類に比べて卵も小さく、産卵数も1桁ほど多い傾向にある(多くのオサムシ類が一生にせいぜい数十粒なのに対しカタビロオサムシ類では一生に数百粒の産卵能力があると言われている)。産卵方法も、他のオサムシ類が腹部の末端だけを土中に差し込み、丁寧に部屋を作って1粒ずつ時を置いて産卵するのに対し、カタビロオサムシ類は体の全体を土中に埋めて一度に何粒もまとめて産卵することが、エゾカタビロオサムシで観察されている。
日本ではガ類の幼虫食で都市部でも見られるエゾカタビロオサムシ、カタツムリ食で特異な形をしているマイマイカブリ、フトミミズ科食で関東地方に多いアオオサムシなどがよく知られている。
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