インフラストラクチャー(infrastructure、略称・インフラ)とは、学校、病院、道路、橋梁、鉄道路線、上水道、下水道、電気、ガス、電話など社会的経済基盤と社会的生産基盤とを形成するものの総称である。
そのため、インフラ整備には中央政府や地方自治体が参加し、公共事業として行われるものが多い。
インフラは、市場によって供給されにくいが、一度、公共事業として整備された後は、社会資本として経済の供給力に多大な好影響を及ぼす。
例えば、都市間高速道路を整備することで、交通コストが低下し、工場立地が容易になり、商圏が拡大することで、域内の経済活動は活性化する。
また、灌漑施設を作ることで、農地の生産性は飛躍的に高まる。
これらの活性化の結果、当初の建設・整備に要するコストが回収され、公共投資として正当化される。
一般に、回収は活性化による税収によって行われるが、有料道路など利用者負担で直接回収する場合もある。
経済成長著しい場合は、インフラの整備がその後の経済成長によって正当化されるが、経済成長停滞や人口増加停滞が発生すると、インフラ予算の割合に占める維持コストが増大し、新設が困難になる。また、維持コストが予算を上回ると、いくつかのインフラに対しては維持放棄をする結果になる。
「維持」は国家財政にとって重たい固定支出になるため、インフラの放漫整備は財政危機を招きやすい。
また、インフラ整備に関連した産業が確立されるため、予算削減が困難な場合が多い。
20世紀後半には、インフラ整備の合理的性格(都市間を最短距離で結ぶ道路など)が地域環境と利益相反するケースが多発。整備への否定的な世論が高まった。 日本では、マスメディアが、具体的なデータを明示せず感情的な公共事業絶対悪論、その他否定的な誘導を行ったと見る向きもある。これは、政治を監視するマスメディアの機能から、利権政治批判を経由して導出された行動結果であるが、いまや必要な投資すらも「公共事業」として敵視する風潮が高まるに至っては、いささか過剰キャンペーンと言わざるを得ない。
ローマは、道路・上下水道・娯楽施設の整備などで、現代に多く通じるものがある。また、その建築技術の水準の高さは、近代に至るまでの歴史上のピークであったと言える。
特に、道路網は、ローマ軍による規格的整備により広大なローマの版図を維持するために多大な役割を果たした。
しかし、帝国末期にはそうした大規模インフラの維持コストが高まり、財政危機と軍事力衰退による帝国滅亡の引き金の一つとなったとされる。
その革命的な「スピード」の改善は、芽生えつつあった国民国家制度を側面から支えた。
また、わずかな距離でも寸断されることが致命的な鉄道の性格は、沿線の軍事的警備を必要としたため、帝国主義の世界分割を加速させることになった。→ 鉄道の歴史
この後、世界中でインフラ整備が需要面の経済政策として取り入れられることになり、経済成長を支えた。
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