イモムシは、チョウやガの幼虫である。円筒形の体に、疣足をもっている。
ハチ目にはハバチという、幼虫が植食性の仲間があり、その幼虫もイモムシ型である。チョウ、ガの幼虫とは、腹部の体節全部に疣足があることで見分けられる。ハバチの幼虫は体の後半部を丸めるものが多い。
歩く時は体を波打つように動かす。多くのものは植食性で、葉をかじる。緑色か黒っぽい糞をする。糞は円筒形。口(下唇)から糸を出すものが多く、種類によって、蛹になる時にまゆを作ったり、葉をつないで巣を作ったりする。
全身に毛や刺が多いものはケムシ(毛虫)と呼ばれる。ただし、明確な区別はできない。シャクトリムシというのは、シャクガ科の幼虫で、典型的なものは細長いイモムシであるが、体の中ほどの疣足が退化している。そのため普通のイモムシのように全身を基物に沿わせるのではなく、体を伸ばし、胸部の歩脚で掴まると、後端の疣足を離して胸部の足の後ろに引き寄せる、特殊な歩き方をする。シャクガ科以外にも、ヤガ科の一部などでシャクトリムシ型の幼虫が知られている。
また全身が緑色がかったものはアオムシと呼ばれる。
イモムシは、鳥などの捕食者に対して防御の仕組みをもつものがある。アゲハチョウの仲間の幼虫は、頭部の後ろから伸縮性のある角状の突起を出し、同時に悪臭を放つ。マダラガ類の幼虫も背中から異臭のする液を出す。
実際に毒をもつものもある。マダラチョウ類は食草に有毒植物を選び、その体内に毒成分を蓄積する。
また、体の側面に黒と黄色や白の同心円の模様を持つものがある。これは目玉模様と言われ、鳥にとっては猛禽を想像させるため、脅かす効果があるとも言われるが、よく分かっていない。しかし、実験室内でムクドリなどを用いた実験では、確かに目玉模様が鳥の忌避反応を引き起こす場合があることが示されているという報告もあり、実際に種によって刺激を受けるとこの模様を誇示する行動が見られるのは確かである。たとえば、アケビコノハの幼虫は真っ黒な体に側面に目玉模様を並べた細長いイモムシであるが、指でつついたりすると体の前半分を持ち上げて曲げ、そうすると目玉が2つ並んだ部分がひどくはっきり見える。また、スズメガの幼虫では、体の前の方に1対の目玉模様を持つものがあり、刺激すると、体をやや縮め、前半身を激しく左右に振る動作をする。この場合、体をやや縮めることで目玉模様がある部分が幅広くなり、マムシの頭を想像させるとも言われる。
モンシロチョウの幼虫は、キャベツなど、アブラナ科の植物を食べる。緑色をしており、アオムシとも呼ばれる。アゲハチョウの幼虫は、ミカン類の葉を食べる。若齢幼虫は焦げ茶色、成長すると緑色となる。この2つがよく教科書などに取り上げられるイモムシである。
道端などでよく目立つのは、体の後端の背中側に1本の角をもつ、スズメガ科の幼虫である。サツマイモ、サトイモ、ヘクソカズラなど、身近な植物にいろいろな種がおり、目にする機会が多い。
ヨトウムシ(夜盗虫)というのは、何種かのヨトウガ科の幼虫で、さまざまな野菜を食べる害虫として名高い。昼間は草の根もとの物陰に潜み、夜に出てきて野菜を荒らすのでこの名がある。