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イチョウ銀杏公孫樹、学名:Ginkgo biloba Linne)はイチョウ科に属する裸子植物イチョウ類の中で唯一の現存している種である。

進化史


中生代ジュラ紀の頃には、世界的に分布していたことが化石からわかっているが、現在では中国にのみ生き残った、「生きている化石」である。

絶滅したイチョウ科はイチョウを含め17属あったとされる。これらはイチョウを除き、氷河期を迎えたころに絶滅した。

生息と伝播


真の自生地については定かでないが、もっとも有力なのが現在の安徽省宣城県付近で、11世紀初めに当時の北宋王朝の都があった開封に移植されたと言われている。

日本に持ち込まれたのは当然それ以後の事であり、平安後期から鎌倉時代にかけてとされている。1323年に当時の寧波から日本の博多に航行中に沈没した難破船の調査において銀杏が発見されている。現在では全国で栽培されている。

ヨーロッパには1693年、長崎からケンペルにより再び持ち込まれた。現在はヨーロッパおよび北アメリカでも植栽される。

特徴


イチョウは落葉樹である。長寿であり、成長すると巨木になる。その為、各地に巨木イチョウが残っており、その中には弘法大師空海が手植えしたとの言い伝えがある木も多い。(イチョウの日本伝来の年代との矛盾もあるが)

またイチョウは色づいた時の美しさから、街路樹(銀杏並木)として、植えられているところも多い。明治神宮外苑の並木道は有名である。 アヒルの足のような形の葉は、秋には黄色黄葉し、落葉する。また、大木では枝から垂れ下がった円錐形の突起を生じる場合があり、乳イチョウなどと呼ばれる。 広葉樹のように思われるが、いわゆる針葉樹である。原始的な平行脈をもち、二又分枝する。

雌雄異株であるため、雌木と雄木があり、実は雌木にのみなる。また、イチョウは開花しないと雄木か雌木かがわからない。

世界ではじめて種子植物であるイチョウにも精子があることを発見したのは、日本人の平瀬作五郎東京大学)で,1896年(明治29年)のことである。現在,東京大学小石川植物園にその木は残っており,東京大学の附属施設である同園のシンボルになっている。

食用の実


イチョウの実は銀杏(ぎんなん、ぎんきょう)といい、茶碗蒸しなどの具に使われたり、としても人気がある。木自体のことも「銀杏」と書く。西洋語での表記 "Ginkgo" は、西洋人が「ぎんきょう」を聞こえたままに書き写したもの("Ginkyo")を誤記したものである。(ヨーロッパの一部ではkgoと書いてkyoと読む地域があることから,誤りではないという説もある。)ゲーテ西東詩集にも "Ginkgo" という言葉が登場している。

ギンナン(イチョウ)にも栽培品種があり、大粒晩生の藤九郎、大粒中生の久寿(久治)、大粒早生の喜平、中粒早生の金兵衛、中粒中生の栄神などが主なものとして挙げられる。

なお、ギンナンは日本全土で生産されているが、特に愛知県中島郡の祖父江町(現稲沢市)は生産量日本一である。ギンナン採取を目的としたイチョウの栽培もこの地に始まるとされるが、それは1900年前後のことと伝えられる。上記の栽培品種も、多くはこの町の木から接ぎ木で広まったものである。

熟すと肉質化した外皮が異臭を放つ。

毒素

イチョウの実(正式には種子)である銀杏はギンコール酸などを含み、などのようにかぶれなどの皮膚炎を引き起こすので注意が必要である。また、食用とする種の中身にはビタミンB6の類縁体4-O-メチルピリドキシンが含まれているが、これはビタミンB6に拮抗してGABAの生合成を阻害し、痙攣などを引き起こす。特に5歳以下、10歳以下の場合には要注意である。大人でも毎日取り続けてはいけないし、20個も食べると危険とも言われる。その一方で喘息等の症状の対する鎮咳去痰作用など薬草としての効力もあり、上述の難破船に遺された銀杏も薬の原料として送られたものであると言われている。

画像


Image:Gingko-Blaetter.jpg|葉の形状 画像:明治神宮外苑01.jpg|銀杏並木(明治神宮外苑) Image:Ginkgo fruit leaves seed.jpg|左が雄の葉、右が雌の葉。中央が実と種子 画像:Ginkgo biloba leaf 3.jpg|黄葉した葉

その他


  • イチョウをシンボルに使っている自治体や組織はいくつかある。
東京都東京大学大阪府大阪大学佐賀市など。

外部リンク


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