| アマモ | ||||||||||||||||
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| 分類 | ||||||||||||||||
| 界: | 植物界 Plantae |
| 門: | 被子植物門 Angiospermae |
| 綱: | 単子葉植物綱 Liliopsida |
| 亜綱: | オモダカ亜綱 Alismatidae |
| 目: | イバラモ目 Najadales |
| 科: | アマモ科 Zosteraceae |
| 属: | アマモ属 Zostera |
| 種: | アマモ marina |
岸辺に打ち上げられた葉の様子から、リュウグウノオトヒメノモトユイノキリハズシ(竜宮の乙姫の元結の切り外し)という別名をもつが、これは最も長い植物名として知られ、和語(大和言葉)の単語としても最長といわれる。
英名 eel grass は「ウナギ草」の意。
イネ科と同じ単子葉類の草本であり、節のある長い地下茎とヒゲ状の根、イネに似た細長い葉をもつ。 葉は緑色で、先端はわずかに尖り、5~7本の葉脈が、先端から根元まで平行に走っている。葉の長さは20~100cm、幅は3~5mm。 退化して雌しべ・雄しべのみとなった小さな白い花を咲かせ、結実して米粒大の黒い種子を作る。繁殖方法には2とおりがあり、種子によって増える方法のほか、地下茎を分枝・伸長して新芽を出す方法がある。種子は発芽に際して一定時間淡水にさらされる必要があることが知られており、自然条件では河口から流れ込む淡水などがアマモ種子の発芽に必要な淡水を供給している可能性があるとされる。
こうして生産されたアマモのバイオマスを直接消費する動物はジュゴンなどが知られるが、それほど多くはない。しかし、アマモの葉はその生育期間に次々に更新し、大量の枯死した葉が生じる。この枯死したアマモの葉は、微生物によって分解し、デトリタス(デトライタス)と呼ばれる様々な微生物が繁殖した有機物片となる。このデトリタスが貝類や甲殻類のような様々な底生動物(ベントス)の餌となり、また底生動物が魚類などの餌となる。こうして、アマモはデトリタスを通じて、生育する海域の基礎生産を支えている。
アマモの生育には水質や砂泥質の底質が清浄であること、人工構造物によって海岸線や浅海域がかく乱されていないことなどが必要なため、海岸の環境指標ともされる。近年、沿岸域の埋め立てや護岸工事、水質汚濁等により、アマモ場が減少しつつある地域が少なくない。アマモ場の減少は、海洋環境の悪化の結果であるとともに、その減少がさらなる環境悪化の大きな一因ともなり、漁業資源の減少にもつながるため、現在、アマモ場の復元を目指す試験や運動が、全国的に行われつつある。神奈川県金沢八景の野島海岸のグループ、愛媛県の中予水産試験場などの試みは、その一例である。
ただし、本来アマモの個体群は海域ごとにその場の環境に適応して独自に進化した系統に分かれており、またその系統の遺伝的特性に合わせて進化した個体群からなる地域生物群集が形成されていると考えられる。そのため、安易に他海域の系統を移植することでアマモ場の復元を行った場合、どのような影響をその海域の生態系にもたらすかは未知数である。そのため、復元を目指す海域以外からもたらされた株によるアマモ場復元に対する警鐘も、専門の研究者からは出されている。
備考としては、打ち上げられたアマモに依存するハマベゾウムシなどがいるらしい。 また、隣接地域でもコアマモは砂泥干潟の潮間帯、エビアマモは岩磯の潮下帯、それらの深場に アマモなどと棲み分ける。 また、アマモには無節サンゴモが付着してることも多い。 周辺の生物アラメ・カジメの森などでも見られることの多いコシマガリモエビと、アマモ場に多いツノモエビはひそかな人気があるようだ。
コアマモはオゴノリ、オサガニ類とよく結びつく。 蛇足ながら、よくオゴノリを刺身のツマと思って食べようとする人がいるようだが、 手間のかかる処理をしないと中毒を起こす。
万葉集以来、和歌には藻塩焼きのうらさびしい情景がしばしば詠まれる。藻塩草は単に「藻(も)」として詠まれることもある。
さらに、藻塩焼きでは海藻・海草を「かき集めて」潮水を注ぐところから、和歌では「藻塩草」をしばしば「書く」「書き集める」に掛けて用い、また歌などの詠草を指すこともある。 これを踏まえて「藻塩草」と題した本は複数あるが、特に有名なのは、1513年(永正十年)ごろに、宗祇の弟子である連歌師の宗碩が編んだと言われる、大部の歌語辞典である。この書名も、歌語を「書き集めた」というところから来ている。 また、手鑑「藻塩草」(京都国立博物館所蔵)は、国宝に指定されている。