アクセントとは、きわだって聞こえたり見えたりする部分のこと。
音声学でアクセントは単語の音節またはモーラの間で強くまたは高さを変えて発音される現象のことをさす。各言語で単語ごとに決まっている強弱や高低に関する法則性をもっている。音の強弱による強勢アクセント(ストレスアクセント)と音の高低による高低アクセント(ピッチアクセント)に分けられる。なお、文末や文の区切れ目の直前の1音節内部での高低の変化はイントネーションという。アクセントが単語ごとに決まっているのに対し、イントネーションは場合によって変化して平叙文・疑問文の区別などを表す。
日本でも関西弁や一部の九州方言、伊予弁、讃岐弁などは声調が使われている。これは渡来人の移動に起因するものだとも言われている。
アクセントは、日本語言語上での高低を変えての発音手段。方言は、日本語言語の亜種・変種である。 東京式アクセントは東京地区以外でも使用されるが、東京弁を使用するのは東京地方。同じく京阪式アクセントは京阪地区以外でも使用されるが、関西弁を使用するのは関西地方である。
方言によってアクセントも変わる。地域によっては高低差が3種類ある地方もある。方言アクセントの分類は平山輝夫氏のものが最も優れた業績である。
日本語のアクセントで、代表的な2つのアクセントは東京式アクセントと京阪式アクセントである。東京式アクセントは、旧東京市街地区およびそれによく似ているもので、東京、横浜、静岡、岡山、山口、札幌などに分布する。東京式アクセントにかなり似ているものが秋田、青森など分布する。京阪式アクセントは京都市およびそれによく似ているもので、京都、大阪、徳島などに分布。京阪式アクセントによく似ているものが富山、高松、佐渡などに分布する。 他には、特殊式アクセント、一型式アクセント、崩壊と分類され、特殊式アクセントは、東京式から変化したもので、九州西南部や沖縄本島南部、かつての埼玉県及び東京都の葛飾郡・埼玉郡域などに分布する。一型式アクセントは宮崎県都城、鹿児島県志布志などに分布する。あと、あいまい化によって型の崩壊したものが、宇都宮、仙台、福島、福井、宮崎などに分布する。 東京式アクセントと京阪式アクセントの地域の境目は厳密に特定できないが、それぞれのアクセントにかなり似ているものや変種が存在する。
昔の人は標準語と呼んでいたが、現在では用語が入れ替わっている。
高低2段階に分けるのはあくまでも模式的なものであり、日本語の音節が2種類のピッチしか持たないわけではない。例えば、平板アクセントの語で最初の音節が低く以降が高く発音されるといっても、実際には第一音節が低く、第二音節で際立って高くなり、その後は僅かずつ高くなっていく。ただ、単語のアクセントを考えるときには単純化のため際立った変化だけを捉えて2段階で考えるわけである。
共通語のアクセントでは語頭の音節と次の音節は必ずピッチが異なる。このことにより語の始まりが聴覚上明らかになる。この法則はすべての日本語方言で成り立つわけではない。京阪式アクセントでは成り立たないし、東京式アクセントに分類される名古屋弁、美濃弁でも成り立たない。
また、一度下がったピッチが語中で再び上がることはない。こちらの法則はほぼすべての日本語方言で成り立つ。
複合名詞のアクセントは中高型になり、アクセントの核は後ろの語の頭に置かれる。例えば「放送協会」を例にすると、
単語のアクセントは2段階で考えられるが、文になるとそうは行かない。
文として発音した場合は、文頭、意味のまとまりの先頭、および話者が強調した語の先頭以外ではピッチの上がり目が失われる。例えば、「単語のアクセントは2段階で考えられるが、文となるとそうは行かない」という文を文節ごとに区切ってそれぞれのピッチの動きを示してみる。「/」「\」の表示は際立った変化だけを取り出したものであり、表示のないところで一切ピッチが動かないわけではない。
しかし、文として自然に発音した場合は、
のように意味のまとまりの途中ではピッチの上がり目が失われる。失われるというと悪いことのようだが、このことにより意味のまとまりを示す機能を果たしている。全ての上がり目をきちんと発音すると、不自然であるだけでなく文がブツ切りになってしまい意味が取りにくくなる。共通語のアクセントで同音異義語の弁別に役立っているのはピッチの下がり目だけなので、ピッチの上がり目が無くなっても同音異義語の弁別が失われることはない。
まとまりの中にピッチの下がり目が複数あるのは誤記ではない。2つめのまとまりを例にとると「ぶ」は高く、「んとな」はそれより低く、「るとそ」さらに低く、「うはいかない」はさらに低くと順番に低くなっていく。人間の発声能力上ピッチを下げるにも限度があるので、あまりにまとまりが長いと途中比較的意味の切れる場所で区切ることになる。
強調される語の頭ではピッチがひときわ高くなる。例えば「2段階」という語を強調すれば、
のように、ひとつだったまとまりが2つに別れて「2段階」の音の上がり目が復活し、ひときわ高く発音される。「文となると」や「そうはいかない」のような表現は意味上の結びつきが強いので2つに別れることは通常は無い。
アクセントの区切れ目によって意味のまとまりを伝える機能は、文の構造を伝える機能を果たしている。日常会話では無意識に適切に区切っているが、文章を朗読する際には朗読者が読む文をきちんと理解していないと適切に区切ることができず、聞き手としては意味が取りにくくなる。
直前の文を縮めた「朗読者が読む文をきちんと理解していないと意味が取りにくくなる」を例にとる。この文の構造を図示すると下記のようになる。なお、細部は省いてある。
朗読者が 読む 文を きちんと 理解していないと 意味が 取りにくくなる │ │ ↑ │ ↑ │ ↑ │ └─┬┘ │ │ │ │ └─────┴────┴─────┬┘ │ │ └───────┴────┘
この文を朗読する際に問題になるのは「朗読者が」が直後の「読む」でなく少し離れた「理解していない」に掛かっていることである。文の意味を理解して読んでいれば無意識にここでアクセントの上がり目を入れて直前の文節と直接繋がらないことを示す。しかし、「朗読者」と「読む」は一見馴染みの良い言葉なので、ただ字面だけを追って読んでいると上がり目を入れることができず、聞き手としては「朗読者の読む文を理解していないのは誰だろう」と戸惑わされることになる。
Акцент | Accent | Accent (udtale) | Akzent (Aussprache) | Accent (linguistics) | Accent | Sotaque | 口音