Mona Lisa.jpeg『モナリザ』1503年 – 1507年]]
油彩(ゆさい)は、油を展色剤(ビヒクル)とする絵の具及を用いて制作する絵画の手法。色により不透明な色から透明な色があり、重ね塗りができ、油を転色材とするため、顔料が転色材の中で浮いた状態となり、顔料と顔料の隙間を光が通る。(これを重層彩色法構という)透明感のある画面が特徴。現在、美術学校などで主に授業として取り入れられているのは、この油彩と、岩絵の具で描く日本画である。
油彩で使用される絵の具を油絵の具(あぶらえのぐ)と呼び、油彩を使用した絵画のことを油彩画(ゆさいが)、油絵(あぶらえ)、洋画(ようが)などと呼ぶ。
構造
油彩の基本的な構造は以下の通り。
- 支持体──絵の最下層に位置する絵を描く画面。軟質と硬質が存在する。
- 下地拵え(したじごしらえ)──基本的に油絵は保存することを目的とした絵である(例外はある)。そのため支持体に加工を加えて絵を(というよりは支持体を)油絵の具の成分から守り、年月が経っても絵が壊れないようにする。一般的には膠を単体で用い、油と支持体の間に薄い層を作る。
- 地塗り(下地)──支持体自体が持つ色(木の色や生布の色)は、油絵の具が透ける性質を持っているため完成後も影響する。そのためその色が気に入らない場合、作者は下地拵えと油絵の具との間に膠と油の中間の層を作り、支持体の色を消す。またこの層は油絵の保存性を高めるためにも良いとされる。
- 絵具層──文字通り油絵の具の盛った層。
- 保護膜層──絵具層の上に施す保存用のニス。油絵の具は空気に長く触れると変色したりはがれ落ちる危険があるため、空気に強いニスを仕上げに塗ることがある。巨匠の作品は大抵保存の観点でニスが塗られているため、表面にガラスを張ってあると錯覚するような反射をする油絵もある。
道具
支持体
- 軟質
- 布(綿、大麻、亜麻、合成繊維など)織り方によって描き心地も異なる。
- 紙類(和紙、西洋紙、厚紙など)
- 革(羊皮紙、豚、牛など)
- 硬質
- 木(合板、ボード類など)
- 金属板(銅、ステンレス、鉄、真鍮など)
- 石版
基本的に油絵は布に描かれていると言う概念があるが、必ずしもそうではない。布は木枠に釘で太鼓のように張り、処置をした上で描写する。硬質でも処置の仕方は殆ど変わらない。紙などはパネルに膠で貼付けて処置する場合もある。
描写道具
- 絵筆(鉛筆=pencil ペン=pen 絵筆=penisillius)
ラウンド(丸)、フラット(平)、ファン(扇)、フィルバート(平突)面相、カラーシェーパー、刷毛など
(筆は、毛質によって描き味が全く異なる。同じ技術でも。)
ペインティングナイフ、パレットナイフ
描画は筆に限らず様々な方法で試される。ナイフ、指、水や薬品を用いる場合もある。ナイフは包丁のようなものではなく、コテのような形のもので、油絵の具を練ったり、画面についた不要な絵の具を削ったりして用いる。
着彩道具
現在一般的なチューブ入り油絵具は、19世紀になってから開発された。それ以前は、絵を描く人自身が顔料と油などを練ってその場で絵の具を作っていた。現在市販されているチューブ入りの油絵の具には、既に描画油や乾燥剤が練り混ぜられており、容易に作画できるよう工夫されている。一般の人でチューブ入りの絵の具を作る人は少ないが、作る時は、アルミ質の円筒形状態の絵の具チューブ(尻を折ってない状態)に、展色剤、体質顔料、粉末顔料を練り合わせ、自身の一番望む形になった状態のときにチューブに詰め、チューブの尻を折る。チューブに入っているか否かは、保存状態と絵の具の詰め方が上手かどうかというだけの問題になるが、油彩の絵の具の塗布以前の工程として「薬学上の知識と混色判断」=「調剤」が必要で、油彩において必要な技術とする見方もある。
技術
技術には、様々な扱われ様があり、それは単なる技術上のものと思想が絡んだものとがある。
技術
- 平塗り 塗り斑無く、平たい状態に塗り上げる事。
- ハッチング 引っかいたり、面相筆を使ったりして、細い線で描いていく事。
- インタリオ 陰刻法。凹を刻む方法。削るハッチング。
- クロスハッチング その細線を交差させた重層や、色んな色線を重ねる事
- マスキング テープで支持面を保護し、保護されていない所だけに塗布する事。
- ステンシル その保護の計算織面仕様によって、模様を創る事。
- デカルコマニー 張り合わせた絵の具の引きや型を使う、型押しモデリング。
- フロッタージュ 物の型を起こす技術。
- コラージュ 紙を張り合わせ、絵画にする、また絵画と一体化させる事。
- アッサンブラージュ 立体物を張り合わせ、絵画にする、また絵画と一体化させる事。
- ヒディング 下地の跡を少し隠し、その痕跡を魅力に変える技術。
- モデリング 媒質塑形。状態は様々で、色々な状態が望める技術。「応物象形」
- ポワリング 絵の具を垂らす技術。特殊なクセがいる。描写と中々噛みにくい。
- アクションペインティング 絵の具を叩きつけたり、振り回したりする技術。
- ドリッピング 絵の具の玉を振り落とす技術。前述した2つとは同種類になる。
- 透かし
- 暈し
- ブラッシュストローク
- ドライブラッシュ
基礎技術
- dessin デッサン
- disegno 素描
- esquisee 下図
- profili 線描
- controni 輪郭描写
- disegno 素描
- coloare 彩色
- chiaroscuro キアロスクーロ 明暗階調画
- impasto インパスト 上層厚塗り
- imprimatula インプリマトゥーラ 有色下地
- camaieu カマイユ 有色下地上単色画
- glisaillu グリザイユ 白~黒階調画
- ebouche エボッシュ 彩色下絵
- glasis グラッシ 薄塗り重層画
- haching ハッチング 線描
- crosshaching クロスハッチング 交差線描
- scumbling スカンブリング 仕上げ平塗り(技術)
- veratula ベラトゥーラ 仕上げ平塗り (表現)
- veramenti ベラメンティ 仕上げ平塗り (最適化)
- alla prima アラプリマ 直接描き
- ririevo リリエーヴォ 盛り上げ効果
- preparesion プレパレーション 地塗り
- tintingstrength ティンティングストレングス 着色力
- hiding power ヒディングパワー 色層力
- composition コンポジジション 色面バランス分割
- crowazone クロワゾネ 仕切り色面
- imitation 模
- representation 再現
- restlation
- renofirire
- renovatio 復元
併用可
画調
絵画の画風は、何派、とか何風とかに分かれている。
上記は「技術」の種類、こちらは「状態のありよう」の種類にあたる。
- スキアグラフィア 陰影画
- ポリクローム 多色画
- ジャクスタポーズ 並列画
- コラージュ 紙片体接合画
- アッサンブラージュ 立体物構成画
- インスタレーション 設置画
- カリカチュア 風刺画
- ナトゥーラモルタ 静物画 (静観さ)
- スティルライフ 静物画 (生命感)
- デックファーベンモレリ不透明画
- ポートリアル 肖像画(写実)
- ポートレイト 肖像画(感慨)
- イコン 聖画
- グリザイユ 単色画
- ディプティック 2部作
- トリプティック 3部作
- ポリプティクス 連作
- コンポジション 律・比・幾何学構成色面画
- トロンプルイユ 錯視画
- クセニア 静物+動物画
- クセノス お客様への贈り物
- ボデゴン 厨房画
- 情景画
- 壁画
絵画
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